26年1月17日・18日に実施される大学入学共通テストの志願者数が大学入試センターから発表された。
志願者数は、49万6237人。昨年と比べて1066人増え、増加率は0.2%。3年連続で50万人を下回ったが、「共通テスト」移行後初めての増加となった前年に続き、2年連続で増加した。
共通テスト志願者数のうち、高等学校卒業見込者(現役生)は42万311人。前年、18年以来7年ぶりに現役生の志願者数が増加したものの、26年は5657人(1.3%)の減少となった。一方で、高等学校卒業者(既卒者)の志願者数は7万1310人。前年と比べて6336人増え、率にして9.8%の大幅な増加だ。ここ数年減少が続いていた既卒者の志願者数が増加に転じたのは19年以来7年ぶりのことだ。
前年は現役生である18歳人口の一時的な増加があったため、既卒者の多少の増加は予想できたが、卒業年で見ると、前々年度卒業者の志願者数が大きく増えている。今回から共通テストがオンライン出願に移行し、これまで必須だった卒業証明書などの書類提出が省略され、既卒生が出願しやすくなったことも要因にあげられるだろう。
現役生が減少したのは、18歳人口が前年より減ったことが理由だ。加えて、従来高校単位でとりまとめて出願していたのが、オンライン化によって生徒個人が手続きを進める方法に変わったことで、出願に消極的な生徒もいたのではないだろうか。
さて、大手予備校によると、共通テストを利用する入試の志望動向は、国公立大の志望者が前年よりやや増えているという。地区別では東北、甲信越、近畿、九州で増加の傾向が見られ、関東ではやや減少している。私立大は、東京および近畿で志望者増加の傾向があり、なかでも難関大の共通テスト利用方式の増加が顕著だという。私立大専願者だけでなく、国立大志望者が併願先として共通テスト利用方式を選択していると考えられる。
共通テストを利用する大学は、大学と専門職大学を合わせて699校。大学687校(国立81、公立95、私立511)、専門職大学12校(公立3、私立9)。前年と比べ、私立大が11校減り、私立専門職大が1校増加した。
なお、例年、志願者数とともに公表される現役志願率(高等学校卒業見込み者のうち共通テストに出願した者の割合)は、公表が延期された。これまで特別支援学校の生徒を含まずに算定していたためで、文部科学省で大学進学率の算定の整理がつき、かつ、25年度の学校基本調査(確定値)が公表され次第、現役志願率が公表される予定という。
