ランキングで見る平成の大学
大学合格者出身校別ランキング
東大②

入試 大学通信 安田 賢治
ランキングで見る平成の大学 大学合格者出身校別ランキング 東大②

平成も終わり、この間、大学入試、高校などの勢力図は大きく変わった。その中で東大ランキングはどう変わってきたのか。平成時代は東大ランキングで、開成がずっとトップを維持した。度重なる入試制度の変更が行われ、翻弄された平成の東大ランキングを見ていこう。

東大② 平成11年~20年

12年から合格者氏名発表を中止

平成11年の東大合格者ランキングのトップは開成の165人。2位は灘の110人、3位は麻布、4位は筑波大附駒場、5位は東京学芸大附だった。平成に入って神奈川トップは桐蔭学園だったが、この年、栄光学園が9位に入り、11位の桐蔭学園を抜いた。桐蔭学園は平成に入ってから守っていたベスト10から陥落した。岡崎が18位に入り、2年ぶりに公立校がトップ20に入った。

また、この年を最後に、東大は合格者氏名の発表を中止する。東大は入学者に合格者氏名公表是非のアンケートを実施し、反対者がいたことを受け公表を中止することになった。中止する背景には個人情報保護の高まりがある。これによって、12年からサンデー毎日の名物企画でもあった東大合格者全氏名の掲載は不可能になった。それまでは、東大から発表される合格者氏名をもとに、高校名を割り出す作業を行って誌面に掲載していたが、それができなくなったのだ。そのため、12年からは各校に合格者数を調査するように変わった。

20世紀最後となる12年入試でも、開成がトップで166人が合格した。2位は灘、3位は筑波大附駒場で、トップ5の顔ぶれは11年と同じだった。

13年は開成トップに続き、筑波大附駒場が平成の最高順位となる2位に上がった。ラ・サールも7位から4位に躍進。2位以下の合格者数が100人を切ったのは平成になって初めてだ。神奈川で合格者数でしのぎを削る栄光学園、聖光学院、桐蔭学園の3校が48人、11位に並んだ。トップ20で公立唯一となった土浦第一は5年ぶりに20位に入った。

14年は開成トップに続き、2位が麻布と灘、4位が東京学芸大附、5位が筑波大附駒場だった。15年は開成がトップで181人合格。2位の筑波大附駒場、3位の麻布も100人を超える合格者数だった。栄光学園が5位に躍進した。

16年に都立校からの合格者が過去最少に

東大も少子化の影響から入学定員を減らし始める。ピークの平成4~6年の3586人から、11年に3353人、16年には前年の3243人から3053人と190人も減らした。この年のトップの開成は177人で、15年より4人減だったが、2位以下の中には大きく合格者数を減らしたところもあった。前年2位だった筑波大附駒場は31人減で4位に、3位だった麻布は42人減で6位に落ちた。逆に6位だった東京学芸大附は21人増で2位に躍進している。また、昭和47年から32年間トップ10に君臨してきたラ・サールが、トップ10から落ちて11位になった。この年はトップ20はすべて中高一貫校となった。

この頃、東京の公立校の不振が目立って来る。かつて、東大ランキングで上位を独占していた東京の都立校だが、合格者が減り続ける。戦前の一中(旧制東京府立第一中学)→一高(旧制第一高校)→東京帝国大(現東大)のエリートコースが、戦後は番町小→麹町中→日比谷高→東大に替わり、日比谷は戦後ずっとトップだった。他の都立校も東大合格者上位を独占していた。それが都立高入試改革による学校群制度導入から合格者が減り始める。学校群制度導入後の卒業生が最初に出た昭和45年に日比谷は5位に落ち、それ以降、トップ10から姿を消した。トップ10への復活は平成30年まで待たなければならない。

元年に都立校全体で169人合格していたのが、16年には56人にまで落ち込んだ。3分の1にまで減り、過去最少となった。この時、トップは西の25人、次いで八王子東の13人、小石川の10人だった。都立校の合格者が減った分、東京の中高一貫校からの合格者が増えた。

そこで、石原慎太郎知事のもと、都立校改革が実施される。13年に進学指導重点校が設定された。入学は翌14年からだ。予算を重点配分し、教員の配置、補習授業や夏休みなどの講習を行えるようにし、入試では自校問題で行った。進学指導重点校として結果を求められ、現在では難関国立大(東大、京大、東京工業大、一橋大、国公立大医学部医学科)に15人以上の現役合格が条件になっている。13年に日比谷、戸山、西、八王子東が指定され、15年には青山、国立、立川が指定され7校になった。それ以外でも15年に学区を廃止し、都内から自由に志望校を選べるようになった。

進学指導重点校が指定されて入学した生徒が、初めて卒業したのが17年だ。東大合格者は都立校全体で前年の16年から17人増えて73人になった。日比谷も16年の3人から17年には14人に合格者が増えている。日比谷の二桁合格は元年以来16年ぶりだ。学区廃止後の卒業生が出た18年には都立校全体で74人、進学指導重点校の7校が卒業生を送り出した18年には89人に増えた。同時に都立の中高一貫校も設置された。

20年から後期試験改革で定員が100人に減少

17年には開成がトップで、16年に大幅減になった筑波大附駒場が24人増で2位に躍進。3位は灘、4位は麻布、5位が東京学芸大附だった。14年に初めて千葉(県立)を抜き、千葉トップになったのが渋谷教育学園幕張だ。17年に初めてトップ20入りし、その後、ずっと千葉トップを維持している。元年には東大合格者はゼロだったから、大きく伸びたことが分かる。17年に続き、トップ20はすべて中高一貫校。女子学院が16位に入り、女子校として2校目のトップ20入りだ。

18年のトップ5は17年と変わらない。ただ、この年はトップ20の内、1都3県以外の学校が約4割を占めた。

19年は開成が190人合格。文Ⅰ42人、文Ⅱ35人、文Ⅲ15人、理Ⅰ62人、理Ⅱ25人、理Ⅲは灘とともに11人合格で、すべての科類で初めてトップに立った。神奈川の浅野が11位に入り、トップ20に神奈川の学校が4校入ったのは初めてのことだ。

20年は東大が入試改革を行い、後期の入学定員を300人から100人に減らした。センター試験をそれまでの3(4)教科4科目から5教科6科目に増やし、2次試験は論述式の英語、数学、小論文にした。後期試験の入試科目は一元化された。入学後は希望の科類(理Ⅲを除く)に進学できるようにした。文理融合型入試だ。この後期試験の受験生の9割以上が前期も東大を受けていた。後期のトップは東京学芸大附の8人、次いで灘の6人、洛南の4人の順だった。現役合格者が多いのも特徴で75%にも達した。東大の現役合格は、ほぼ6割後半だから、これを上回る結果となった。

東大合格者学校別ランキング 平成11年~20年

平成11年(1999年)

※は国立、◎は私立、無印は公立校を表す

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順位 設置 学校 所在地 合格者数
1 開成 東京 165
2 兵庫 110
3 麻布 東京 109
4 筑波大附駒場 東京 104
5 東京学芸大附 東京 103
6 ラ・サール 鹿児島 71
7 武蔵(私立) 東京 64
8 洛南 京都 59
9 桜蔭 東京 57
9 栄光学園 神奈川 57
11 桐蔭学園 神奈川 54
12 海城 東京 52
12 駒場東邦 東京 52
14 筑波大附 東京 50
15 久留米大附設 福岡 46
16 巣鴨 東京 45
17 聖光学院 神奈川 40
18   岡崎 愛知 35
19 弘学館 佐賀 33
20 広島学院 広島 32

平成12年(2000年)

※は国立、◎は私立、無印は公立校を表す

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順位 設置 学校 所在地 合格者数
2 兵庫 103
3 筑波大附駒場 東京 97
4 麻布 東京 91
5 東京学芸大附 東京 86
6 桜蔭 東京 74
7 ラ・サール 鹿児島 73
8 桐蔭学園 神奈川 58
9 海城 東京 57
9 洛南 京都 57
11 巣鴨 東京 46
12 筑波大附 東京 45
13 武蔵(私立) 東京 44
14 駒場東邦 東京 39
15 久留米大附設 福岡 38
16 桐朋 東京 37
17 広島学院 広島 36
18 栄光学園 神奈川 34
18 白陵 兵庫 34
20   浦和(県立) 埼玉 32

平成13年(2001年)

※は国立、◎は私立、無印は公立校を表す

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順位 設置 学校 所在地 合格者数
1 開成 東京 175
2 筑波大附駒場 東京 96
3 兵庫 94
4 麻布 東京 87
4 ラ・サール 鹿児島 87
6 東京学芸大附 東京 75
7 駒場東邦 東京 68
8 桜蔭 東京 67
9 海城 東京 65
10 巣鴨 東京 58
11 栄光学園 神奈川 48
11 聖光学院 神奈川 48
11 桐蔭学園 神奈川 48
14 武蔵(私立) 東京 45
14 洛南 京都 45
16 青雲 長崎 44
17 桐朋 東京 37
18 筑波大附 東京 36
19 愛光 愛媛 35
20   土浦第一 茨城 32

平成14年(2002年)

※は国立、◎は私立、無印は公立校を表す

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順位 設置 学校 所在地 合格者数
1 開成 東京 164
2 麻布 東京 94
2 兵庫 94
4 東京学芸大附 東京 87
5 筑波大附駒場 東京 79
6 ラ・サール 鹿児島 78
7 桜蔭 東京 74
8 巣鴨 東京 63
9 駒場東邦 東京 62
10 海城 東京 53
11 桐蔭学園 神奈川 49
12 栄光学園 神奈川 48
13 洛南 京都 47
14 聖光学院 神奈川 43
15 久留米大附設 福岡 40
16 武蔵(私立) 東京 37
16 東海 愛知 37
18   岡崎 愛知 36
19 筑波大附 東京 34
20   土浦第一 茨城 33
20 広島学院 広島 33

平成15年(2003年)

※は国立、◎は私立、無印は公立校を表す

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順位 設置 学校 所在地 合格者数
1 開成 東京 181
2 筑波大附駒場 東京 112
3 麻布 東京 111
4 兵庫 88
5 栄光学園 神奈川 77
6 東京学芸大附 東京 72
6 桜蔭 東京 72
8 ラ・サール 鹿児島 52
9 海城 東京 51
9 駒場東邦 東京 51
11 武蔵(私立) 東京 49
12 桐蔭学園 神奈川 47
13 洛南 京都 45
14 桐朋 東京 44
15 巣鴨 東京 40
16   岡崎 愛知 38
17 聖光学院 神奈川 37
18 東大寺学園 奈良 35
19 愛光 愛媛 33
20   土浦第一 茨城 32

平成16年(2004年)

※は国立、◎は私立、無印は公立校を表す

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順位 設置 学校 所在地 合格者数
1 開成 東京 177
2 東京学芸大附 東京 93
3 兵庫 89
4 筑波大附駒場 東京 81
5 桜蔭 東京 80
6 麻布 東京 69
7 駒場東邦 東京 57
8 栄光学園 神奈川 49
9 巣鴨 東京 48
10 桐朋 東京 43
11 桐蔭学園 神奈川 42
11 ラ・サール 鹿児島 42
13 海城 東京 40
14 筑波大附 東京 38
15 洛南 京都 36
15 久留米大附設 福岡 36
17 聖光学院 神奈川 32
17 白陵 兵庫 32
17 東大寺学園 奈良 32
17 青雲 長崎 32

平成17年(2005年)

※は国立、◎は私立、無印は公立校を表す

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順位 設置 学校 所在地 合格者数
1 開成 東京 170
2 筑波大附駒場 東京 105
3 兵庫 101
4 麻布 東京 87
5 東京学芸大附 東京 81
6 桜蔭 東京 64
6 駒場東邦 東京 64
8 海城 東京 60
9 栄光学園 神奈川 56
10 ラ・サール 鹿児島 50
11 聖光学院 神奈川 49
12 桐蔭学園 神奈川 42
12 洛南 京都 42
14 巣鴨 東京 40
15 渋谷教育学園幕張 千葉 38
16 女子学院 東京 37
17 武蔵(私立) 東京 34
18 筑波大附 東京 32
19 東海 愛知 30
20 桐朋 東京 29
20 東大寺学園 奈良 29

平成18年(2006年)

※は国立、◎は私立、無印は公立校を表す

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順位 設置 学校 所在地 合格者数
1 開成 東京 140
2 麻布 東京 89
3 筑波大附駒場 東京 86
4 兵庫 80
5 東京学芸大附 東京 77
6 栄光学園 神奈川 70
7 桜蔭 東京 68
8 海城 東京 52
9 ラ・サール 鹿児島 50
10 駒場東邦 東京 46
11 筑波大附 東京 45
12 聖光学院 神奈川 44
13   岡崎 愛知 36
14 東大寺学園 奈良 35
15 広島学院 広島 33
15 久留米大附設 福岡 33
17 桐朋 東京 32
18 武蔵(私立) 東京 30
19 巣鴨 東京 29
20   宇都宮 栃木 28
20 女子学院 東京 28
20   一宮 愛知 28
20 洛南 京都 28

平成19年(2007年)

※は国立、◎は私立、無印は公立校を表す

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順位 設置 学校 所在地 合格者数
1 開成 東京 190
2 兵庫 100
3 麻布 東京 97
4 筑波大附駒場 東京 84
5 東京学芸大附 東京 72
6 桜蔭 東京 68
7 海城 東京 51
8 聖光学院 神奈川 48
8 ラ・サール 鹿児島 48
10 栄光学園 神奈川 44
11 駒場東邦 東京 42
11 浅野 神奈川 42
13 筑波大附 東京 40
14 久留米大附設 福岡 35
15   浦和(県立) 埼玉 33
16 東大寺学園 奈良 31
17 渋谷教育学園幕張 千葉 30
17 愛光 愛媛 30
19 東海 愛知 29
20   土浦第一 茨城 28
20   日比谷 東京 28
20 桐蔭学園 神奈川 28
20   旭丘 愛知 28

平成20年(2008年)

※は国立、◎は私立、無印は公立校を表す

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順位 設置 学校 所在地 合格者数
1 開成 東京 188
2 兵庫 114
3 麻布 東京 76
4 筑波大附駒場 東京 75
5 東京学芸大附 東京 74
6 桜蔭 東京 59
7 海城 東京 44
7 聖光学院 神奈川 44
9 東大寺学園 奈良 43
10 栄光学園 神奈川 42
11   岡崎 愛知 40
12 ラ・サール 鹿児島 39
13 駒場東邦 東京 38
14 渋谷教育学園幕張 千葉 35
15 東海 愛知 34
16   浦和(県立) 埼玉 33
17 桐朋 東京 32
17 広島学院 広島 32
19 洛南 京都 31
20   宇都宮 栃木 29
20 浅野 神奈川 29