学力試験型年内入試はプラスアルファへ
京都大、大阪大、青山学院大が理工系女子枠新設

入試
学力試験型年内入試はプラスアルファへ 京都大、大阪大、青山学院大が理工系女子枠新設

大学入学共通テストの出願最終日(10月3日)17時現在の出願状況が発表された。出願総数は49万1272人。昨年同時期と比べ1.4%増えたが、高等学校卒業見込み者(現役生)の出願数は1.4%減少した。26年度分から、現役生の出願が高校での書類提出から個別のインターネット出願に変わり、私立大専願で出願に消極的な生徒もいたのではないか。また、年内入試の比重が高まっていることも理由のひとつだろう。

総合型選抜は9月から、学校推薦型選抜は今月末から願書受付が始まる。文部科学省の調査によると、24年度の大学入学者のうち学校推薦型選抜の合格者は35%、総合型選抜は16%で計51%を占め、過半数が「年内入試」で進学を決めている。私立大では、入学者の59%が年内入試合格者だ。一般選抜に照準を合わせて年内入試を併願する生徒がいる一方で、一般選抜を受験することなく進学先を決定する生徒は少なくない。

年内入試は、書類審査や面接などにより生徒の「能力・意欲・適性」を評価して合否を判定する。文部科学省の分類では、「総合型選抜」は志願者の意志で出願できる公募制の入試、「学校推薦型選抜」は、志願者が特定の大学・学部で学ぶ能力や適性を備えていることを高等学校長が判断するもので志願者本人の意志だけでは出願できない入試としている。そのため、総合型選抜では生徒が記入した資料を積極的に活用し、学校推薦型選抜では大学が示す具体的な推薦要件とともに調査書や推薦書、学力などで判定するというように選考方法にも違いがある。ただし、学校推薦型選抜で成績基準を設けない大学もあり、実際には各大学ごとにさまざまな選考が行われている。

25年度入試(25年4月入学)では、東洋大の「学校推薦入試基礎学力テスト型」が一般選抜解禁前の学力試験であると文部科学省から「ルール違反」を指摘された。首都圏の有力大が実施したことで話題になったが、西日本では以前から学力試験型の学校推薦型選抜は存在する。このことを受けて、26年度入試では学力試験とともに小論文や志望理由書などで評価する入試に変更する大学も多い。

総合型および学校推薦型選抜の主な変更点をあげておこう。

実施する大学が年々増えている理工系の女子枠は、国立大では岩手大・理工、山形大・工、埼玉大・工、京都大・理/工、大阪大・基礎工、広島大・理/工/情報科、愛媛大・工が新たに実施。私立大は青山学院大・理工、摂南大などが導入する。このほか自治医科大・医は富山、山梨、山口、佐賀で年内入試を新たに実施、基準4.0以上で各県2人(一般選抜と合わせて3人)を募集する。