新課程入試1年目、国公立大で志願者数が増加
私立大も難関大を中心に増加の傾向

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新課程入試1年目、国公立大で志願者数が増加 私立大も難関大を中心に増加の傾向

1月18日・19日に実施された大学入学共通テストの受験者数は、46万2066人で、受験率は共通テスト開始以来最も高い93.3%。現役志願率(高等学校卒業見込み者のうち共通テストに出願した者の割合)は45.5%と過去最高となった。

主要科目の平均点(100点満点換算)を昨年と比較すると、国語、英語(リーディング)が5~6点アップ、「数学Ⅰ、数学A」は2点アップ、数学Cが加わった「数学Ⅱ、数学B、数学C」は6点ダウン。理科は全科目でダウンし、化学(45.34点)と物理基礎(49.56点)は過去最低だ。必修・選択科目の組み合わせになった地理歴史・公民と、新たな出題教科の情報を含めた全体の平均点は、6割弱だった。

文部科学省が今日発表した国公立大の確定志願者数は、昨年比約5千人増の42万8501人。国立・公立を合計した志願倍率は4.4倍になった。国立大は前期で増加し、後期では減少。志願倍率は4.0倍で昨年より0.1ポイントアップした。また、公立大は前期・中期・後期いずれも増加した。出願最終日の速報値から確定値までの間に14%増えており、迷った末に公立大受験を決断した生徒も多かったとみられる。志願倍率は5.7倍で、昨年より0.2ポイントアップした。

主な難関国立大の志願状況(*は後期含む)は、研究力が注目される東北大*が5%増、後期の志願倍率が20倍と人気を集めた一橋大*が4%増など。名古屋大*(3%増)、神戸大*(2%増)も増加した。北海道大*、大阪大はほぼ昨年並みだ。東京大は11%の大幅減、国立大法人化以降最少となった。2次試験の第1段階選抜の倍率が絞り込まれたことや、模試では志望者が増加していたため、敬遠されたようだ。

一方、私立大は難関大を中心に志願者数が増加している(2月19日現在の確定分)。首都圏最難関の早稲田大、慶應義塾大はともに7%増加。上智大は2%減だが、TEAPスコア利用と共通テスト併用の合計は12%増加。共通テスト利用方式が昨年増加した反動で大きく減ったためだ。学習院大(13%増)、中央大、立教大(11%増)、東京理科大(9%増)、青山学院大(8%増)をはじめ明治大、法政大も増加。このほか明治学院大(31%増)、國學院大(20%増)や、聖心女子大(43%増)、日本女子大(11%増)などでも増加が目立つ。

近畿圏では、関関同立と称される関西大(9%増)、関西学院大(6%増)、同志社大(3%増)、立命館大(2%増)がいずれも増加。

19日までの集計で、一般選抜志願者数が10万人を超えたのは、多い順に千葉工業大(14万9214人)、近畿大(14万4523人)、明治大(11万4821人)、東洋大(10万5638人)、法政大(10万5107人)。数値が確定した法政大以外は、後期の志願者でさらに数字を伸ばしそうだが、25年度の1位は千葉工業大が最有力だ。