私立大の一般選抜が始まった。私立大の志願者数は昨年よりやや増加しており、確定分データで比較すると、大学入学共通テスト利用方式の増加率が一般選抜よりもやや上回っている。
5日までに出願を締め切った私立大の一般選抜志願状況をみていこう(2月5日判明分、*は集計中。共通テスト利用方式は除く)。
首都圏では、難関大のほとんどが増加。最難関とされる3大学、早稲田大は3%増(共通テストを併用する選抜を含む)、慶應義塾大は7%増、上智大(TEAPスコア利用方式)は6%の増加だ。早稲田大は、25年度より社会科が独自入試を共通テスト併用方式に変更したため25%減少したが、全学部の合計では増加となった。
MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大*)も、いずれも増加した。立教大は12%、青山学院大は10%、中央大は8%、明治大は5%の増加だ。法政大は集計中だが、4日の時点で昨年の志願者数を上回った。学習院大も8%増加した。
このほかに増加が目立った首都圏の大学には、総合大では立正大*25%増、明治学院大23%増などがある。東京理科大、芝浦工業大、工学院大など理工系大も増加し、中でも東京工科大*は66%増、神奈川工科大*31%増と大きく増えた。この2校は受験料の併願割引システムを変更し、受けやすくなったことが増加の要因だろう。女子大では実践女子大*が昨年の2.7倍の志願者数を集めた。1月入試や全科目マークシート方式化、英語外部試験利用、受験料併願割引など、多様な入試改革が理由だ。また、校名変更を予定している昭和医科大(現・昭和大)*は、医療系学部のみの構成ながら32%増加、中でも歯が59%と大幅に増えている。
近畿圏では、関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大*)のいずれもが増加。関西学院大7%、関西大と同志社大が5%、立命館大は2%増加。大きな増加ではないが、人気を維持している。
この地区で増加が目立ったのは京都橘大59%増、甲南大*23%増などだ。甲南大はマネジメント創造の増加が著しく、中期ではほぼ2倍に増えている。
5日までの判明分で、一般選抜全方式の志願者数が10万人を超えたのは、多い順に近畿大*、明治大*、千葉工業大*、法政大*、東洋大*の5校だ。いずれも集計中または後期の受付前で数値は今後も変動するが、近畿大は、2位以下に1万人以上の大差をつけている。最終的な志願者数は、後期の出願締切後に確定する。25年度入試も、近畿大が一般選抜志願者数トップの最有力候補といえるだろう。
<関連記事>
2025.1.29
新課程の大学入学共通テストは得点調整なし
私立大の共通テスト利用方式は志願者増加の傾向
2025.1.22
大学入学共通テストの平均点(中間集計)発表
新科目の「情報Ⅰ」は7割を超える高い点数に
2025.01.15
1月18日・19日に大学入学共通テスト実施
25年は難関大志向、私立大志望者も活用か