新課程の大学入学共通テストは得点調整なし
私立大の共通テスト利用方式は志願者増加の傾向
1月24日、大学入試センターは25年度大学入学共通テストにおいて得点調整は行わないことを発表した。得点調整の対象となる科目(受験者1万人以上)は、例年なら地理歴史、公民、理科の3教科だが、25年度は、旧課程履修者に対する移行措置により旧科目と新科目間の得点差も考慮され、旧科目の出題もあった数学①、数学②、情報も対象となっていた。24日に発表された「中間集計その2」では、科目間の最大平均点差が最も大きかったのは理科の物理と化学間の13.63点で、得点調整の実施条件である20点差より小さかった。新旧両科目の平均点を比較すると、旧科目の平均点が高い科目が多い中、公民は新科目「公共」との組み合わせ受験となった新課程履修者の方が平均点が高かった。
この共通テストを第1次試験とする国公立大一般選抜の出願受付が今週から始まった。大手予備校等が算出した国立型6教科の予想平均点は、文系・理系ともに6割を超え、昨年の平均をやや上回る点数になった。
一方、私立大の共通テスト利用方式は、試験場へ出向かず合否判定が受けられる試験を実施する大学も多く、検定料を抑えて併願できるメリットがある。共通テストの平均点が昨年と比べ下がらなかったため、積極的に利用する生徒も多そうだ。共通テスト利用方式の出願は、共通テストの実施前や他の一般選抜よりも早い時期に締め切られることが多い。現時点では集計中のところがほとんどだが、25年度の志願状況を見ると、多数の大学で昨年より志願者数が増えている。昨日までに出願を締め切った主な大学の出願状況を見てみよう。
首都圏の難関大は、早稲田大が共通テスト利用入試で44%増加した。一般選抜でも共通テストを併用する方式を採用する学部が多く、受験機会を増やせることが要因だろう。MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)はいずれも増加。中央大(集計中)、法政大(集計中)、立教大はそれぞれ10%、明治大は8%、青山学院大は1%の増加だ。学習院大は28%と大幅増、中でも国際社会科は前年の2.7倍と人気を集めた。このほかには日本大では49%増、実践女子大は昨年の3倍以上の増加となっている。
近畿圏では、関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)のグループでは、関西大が21%増加。共通テスト併用方式の増加が30%と大きかった。関西学院大は4%増、立命館大は1%増と昨年並み。同志社大(集計中)は2%減となっている。近畿大は21%と大きく増えた。