大学入学共通テストの平均点(中間集計)発表
新科目の「情報Ⅰ」は7割を超える高い点数に
1月18日・19日に行われた大学入学共通テストの平均点(中間集計)が大学入試センターから発表された。
25年からの新科目「情報Ⅰ」は、73.10点。事前に公開された試作問題と出題分野・出題形式が同じで、新課程で学んだ高校3年生にはやや易しいと感じられる出題となったようだ。7教科の主要科目の中では、最も高い平均点になった。
新課程になり、科目構成が大きく変わった教科もあるが、このほかの主要科目について、昨年の平均点(確定分)と比較してみよう。なお、比較は各科目いずれも100点満点に換算した数値で行った。
受験者数が最も多い英語は、リーディングが59.65点。過去最低となった昨年より8.11点アップした。大問が増えた一方で問題数は減り、易化。リスニングは62.91点で、4.33点ダウンした。
国語は63.06点。近代以降の文章が2題から3題に増え、グラフや図などの資料を含む出題もあった。平均点は4.81点アップし、6年ぶりに平均点が6割を超えた。
数学は数学①の「数学Ⅰ、数学A」が56.66点で5.28点アップ。数学②の「数学Ⅱ、数学B、数学C」は56.69点で昨年の「数学Ⅱ・数学B」と比べて1.05点ダウン。数学①と数学②がほぼ同じ平均点になった。
理科は、物理が60.93点で2.04点ダウン、生物が54.04点で0.78点ダウンと昨年並みの点数になったが、化学は47.69点で7.08点ダウン。「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」は理科の1科目になり、4つの出題範囲から2つ選択して解答する方式に変わった。科目としての平均点は62.30点。出題範囲別では、物理基礎の平均点がダウンしたが、他はややアップした。
地理歴史は「地理総合、地理探究」が59.68点で、昨年の地理Bと比べ6.06点ダウン。「歴史総合、日本史探究」は59.11点で昨年の日本史Bより2.84点アップ、「歴史総合、世界史探究」は68.35点で昨年の世界史Bと比べ8.07点アップ。公民の「公共、倫理」は61.46点で昨年の倫理と比べ5.02点アップし、「公共、政治・経済」は65.69点で昨年の「政治・経済」と比べ21.34点アップした。
25年度の共通テストは得点調整の条件も変更され、同じ教科内の科目間で20点以上の差が生じた場合のほか、15点以上の平均点差があり段階表示(スタナイン)の区分点差が20点以上生じた場合も対象となる。今日発表された中間集計では、15点以上の差がある教科はなく、得点調整が行われる可能性はきわめて低い。