新課程最初の「大学入学共通テスト」志願者数が確定
志願者数は増加、現役志願率も過去最高に

入試 小松 栄美
新課程最初の「大学入学共通テスト」志願者数が確定 志願者数は増加、現役志願率も過去最高に

25年1月18日・19日に実施される「大学入学共通テスト」の志願者数が、大学入試センターから発表された。

確定志願者数は49万5171人。前年と比べて3257人増え、増加率は0.7%。昨年に続いて志願者数が50万人を下回ったが、共通テスト以前に行われていた「大学入試センター試験」も含めて、7年ぶりの増加となった。

共通テスト志願者数のうち、高等学校等卒業見込みの者(現役生)は42万5968人で、前年より6434人(1.5%)増加した。25年3月に高等学校等を卒業見込みの者は全体で93万6986人、前年と比べて9772人(1.1%)増えるが、この比率を上回る志願状況となった。

また、現役志願率(高等学校等卒業見込み者のうち共通テストに出願した者の割合)は45.5%と、昨年より0.3ポイント高く、過去最高を更新。都道府県別の現役志願率をみると、東京59%、広島56%、愛知55%、富山53%、石川52%と5都県で50%を超えた。

一方で、高等学校等卒業者(既卒者)の志願者数は6万4974人で、4.8%減少した。共通テスト志願者数に占める既卒者の比率は13.1%。人数、比率ともに20年から6年連続して減少が続く。現役生の比率は86.0%で、過去最高となった。

共通テストの受験率は、過去3年間92~93%で、移行前のセンター試験の94~95%と比べてやや低い。大手予備校によると、25年度は私立大を共通テスト利用方式で受験しようと考える生徒が増えているという。さらに国立大理系分野の定員増もあり、国公立大志望者にも追い風となる要素がある。25年度は、受験率アップもありそうだ。

25年度の大学入学共通テストは、22年4月に導入された学習指導要領の新しい教育課程に対応した最初の試験となる。教科、科目構成や試験時間などの変更点も多い。例えば、新たな教科として「情報」が追加され「情報Ⅰ」が出題されるほか、「地理歴史、公民」は必履修科目を組み合わせた科目からの選択になり、理科は①と②を同じ時間枠へと変更する。国語は問題構成を変更し試験時間を延長、数学は数学②が「数学Ⅱ、数学B、数学C」の1科目となり試験時間を延長する。既卒者(旧課程履修者)は、経過措置により地理歴史、公民、数学、旧情報については旧課程科目を受験することができる(ただし数学②の試験時間は新課程と同じ)。

大学入学共通テストを利用する大学は698校(国立81、公立95、私立522)あり、国立大・公立大は全大学が利用する。専門職大学は11校(公立3、私立8)が利用する。