近畿大学、起業志望の高校生対象に経済学部で新しい入試制度を導入

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近畿大学、起業志望の高校生対象に経済学部で新しい入試制度を導入

写真=令和5年(2023年)実施の「近大ビジネスコンテスト」の様子

近畿大学(大阪府東大阪市)は、令和7年度入試より、起業を志す高校生を対象とした新たな総合型選抜を経済学部に導入することを発表した。この新制度により、起業志向の高い高校生に入学機会を提供するとともに、入学予定者には同大学の起業支援プログラムの一部や在学している学生起業家との交流の場を提供することを目的としている。

近畿大学は、令和4年(2022年)4月から、学生や教員の起業を支援するためのベンチャー起業支援プログラム「KINCUBA(キンキュバ)」を開始した。令和6年(2024年)4月には、目標より1年10カ月早く近畿大学発のベンチャー企業100社を達成した。この成果を踏まえ、さらなるイノベーション創出を目指して、令和7年度入試から「総合型選抜(起業志向型)」を経済学部に新設する。

この総合型選抜は、志望学科に対する適性や可能性、入学後の明確な目的意識や情熱といった、筆記試験では判定しにくい資質・能力を備えた受験生を選抜することを目的としている。第1次審査では、出願時に提出された事業・活動計画に関するプレゼンテーション動画を評価し、第2次審査では、プレゼンテーションと口頭試問を実施して総合的に審査する。

また、合格決定後から入学までの期間を「スタートダッシュ期間」とし、入学予定者に対して起業相談やビジネスプランのブラッシュアップの機会を提供する。さらに、起業に関する各種イベントやセミナーへの参加を促し、学生起業家との交流の場を設けることで、起業と学業の両立についてのヒントを提供する。

令和6年(2024年)9月2日から6日までが出願期間であり、試験日は10月12日、合格発表は11月7日に行われる予定である。詳細については令和6年(2024年)7月発行予定の「令和7年度総合型選抜要項」を確認してほしい。

「KINCUBA」は、医学から芸術までを網羅する多様な研究分野や、58万人を超える卒業生ネットワーク、東大阪市・八尾市の地域特性、最先端のDX技術など、総合大学としての強みを生かして学生や研究者の起業を支援するプログラムである。起業を目指すために必要な学びやマッチングのサポート、各分野のメンターによる相談受付、キャンパスを活用した実証実験など、起業マインドの醸成から法人設立・事業展開まで一貫した支援を行っている。令和4年(2022年)10月には、近畿大学発ベンチャー企業を生み出す拠点として、学生が24時間利用できるインキュベーション施設「KINCUBA Basecamp」もオープンした。