お茶の水女子大が共創工学部を新設
「東京科学大」は24年10月開学へ
24年度の新設大学は5校。私立大は医療系の仙台青葉学院大、愛知医療学院大、高知健康科学大と、経営学部を置く北海道武蔵女子大の4校だ。もう1校は公立の東北農林専門職大。いずれも短大や専門学校を母体として誕生する。
学部の新設は、情報分野を中心とした理工系、医療系などが多く、ここ数年の傾向は変わらない。国立では宇都宮大・データサイエンス経営、千葉大・情報・データサイエンス、お茶の水女子大・共創工、熊本大・情報融合学環などが誕生する。22年度に奈良女子大・工が開設しており、お茶の水女子大・共創工の新設により、国立の両女子大に理工系学部が設置されることになる。公立大でも5校が情報系学部を開設するほか、私立大も理系だけではなく文理融合分野など多様な視点から情報系の学部・学科が開設される。
国際系の新設も目立つ。実践女子大、桜花学園大、ノートルダム清心女子大などが学部を新設し、関西外国語大、活水女子大などは学科を新設する。筑波大は、24年9月、マレーシアに分校の開設を予定しており、現地学生が対象の学際サイエンス・デザイン専門学群を開設する。
東京工業大と東京医科歯科大は、両大学の統合に関する国立大学法人法の改正案が閣議決定され、24年10月に東京科学大として開学する。学部新設は伴わないが、新たな大学としてスタートを切る。
文部科学省は今年、理系学部への再編や定員増などの取組みを支援する「大学・高専機能強化支援事業」の公募を開始した。その支援内容のひとつに、「グリーン」「デジタル」という特定成長分野の学部設置等を継続的に支援する事業がある。公私立大の理・工・農系の3分野を対象に、学部学科新設などに必要な経費を32年までの最長10年間助成するもので、開設の準備段階から完成年度まで継続的な支援が受けられる。第1回の公募では67校が採択された。24年度の新設学部・学科のうち、富山県立大、下関市立大、周南公立大、高知工科大などの公立大、千葉工業大、麗澤大、日本女子大、明治学院大、金沢学院大、椙山女学園大、大阪電気通信大、ノートルダム清心女子大などが、この支援を受けている。24年度からの国の修学支援新制度でも「理工農系」が文系との授業料差額支援の対象となっている。事業採択に伴う質保証とあいまって、幅広い生徒の選択肢となりそうだ。
また、文部科学省では、25年度以降の学部新設の基準を改正し、定員の5割以下しか学生がいない学部を持つ大学に対して、学部の新設や定員増を認めない方針を打ち出した。少子化による将来の入学者数減少を見込んでの対応だ。