総合型・学校推薦型選抜が大学入試の主流に
私立大だけでなく、国立大も募集定員が徐々に拡大
総合型選抜に続いて学校推薦型選抜の出願が来月から始まり、23年度入試が本格的にスタートする。
総合型選抜・学校推薦型選抜は「年内入試」と呼ばれ人気が年々高まっており、高大接続改革にコロナ禍が加わって、大学入試の主流は一般選抜から年内入試へ移行しつつある。すでに21年度入試では総合型・学校推薦型選抜による大学入学者が全体の50.3%と初めて半数を超え、一般選抜の入学者49.5%を上回った。私立大では、約6割が年内入試で進学を決めていた。
学校推薦型選抜では、調査書(評定平均値など)等の出願書類だけでなく、小論文や資格・検定、課外活動実績など大学独自の評価、または大学入学共通テストの少なくともいずれかの評価が必須となっている。大学にとっては学力や特技のある学生を獲得でき、生徒も出願基準を満たせば一般選抜よりも早く合格を決めることができて、互いにメリットがある。一般選抜が感染症の流行期に実施されるリスクや、併願受験にかかる時間的、経済的負担を考えると、年内入試という選択は当然の流れといえるだろう。
国公立大は、国立大が約2割、公立大は約3割を総合型・学校推薦型で募集する。今年、文部科学省は「魅力ある地方大学の実現に資する地方国立大学の定員増」に島根大、広島大、徳島大の3大学を選定し、23年度入試において合計120人の定員増を認めた。このうち広島大は、定員増となる情報科学部に学校推薦型選抜を新設し、45人(学部定員の50%)を募集する。徳島大は、理工学部に「医光/医工融合プログラム」を開設、定員30人中15人を同プログラムの学校推薦型選抜に割り当てる。島根大は新学部を設置、学部定員の40%を総合型・学校推薦型選抜で募集する。
このほか、23年度入試では、京都工芸繊維大が後期日程の募集を縮小して学校推薦型選抜〈一般プログラム〉を新たに実施、90人を募集する。名古屋大・工では、電気電子情報工、エネルギー理工で学校推薦型選抜の募集人員の半数を女子枠とする。工学分野の女性比率が、社会の男女構成比と大きく異なることから、その是正を目指すのがねらいだ。以前から工学部に女子枠を設けていた芝浦工業大は、総合型選抜の公募制推薦入学者選抜(女子)を全学部に拡大、入学者には入学金相当を奨学金として給付する。日本女子大は全学部(新設除く)で公募制推薦を導入する。