共通テスト難化にめげず、国立大は志願者増加
私立大も志願者が増加、理工・情報・法などが人気

入試
共通テスト難化にめげず、国立大は志願者増加 私立大も志願者が増加、理工・情報・法などが人気

22年度入試は、オミクロン株による感染拡大が続く中、受験機会確保のために、文部科学省が大学に様々な対応を迫り、異例続きの入試シーズンとなった。報道によると、東京大でも大学入学共通テストを受験できなかった生徒4人が個別試験のみによる合否判定の対象となっている。

2年目となる大学入学共通テストは志願者数53万367人(前年比1%減)。高等学校新規卒業見込み者2%減に対して、現役生の志願者数は約45万人と0.1%の減少にとどまり、現役志願率(高校卒業見込み者のうち共通テストに出願した者の割合)も45.1%と過去最高を更新した。一方で、浪人生は約7万7千人と5%減り、3年連続の減少だ。

また、多くの科目で平均点がダウン。大学入試センター試験も含め過去最低となった科目が全30科目中7科目あり、中でも20点ダウンした「数学Ⅰ・数学A」は38点と4割を切った。

そんな中で国公立大二次試験(個別学力検査)の出願は、前年比2%増の約41万人(2月4日速報値)となった。平均点が下がっても、難関大が敬遠されることはなく、例年のパターンとは異なる傾向となった。旧7帝大(北海道大、東北大、東京大、名古屋大、京都大、大阪大、九州大)は北海道大、東京大、京都大、大阪大、九州大で志願者が増加し、東北大は昨年並み。名古屋大は、医で共通テストの得点で基準点を設ける二段階選抜を導入、平均点低下が影響して志願者が減少した。

国立大は4%増え、10年続いた志願者減少がストップ。公立大は志願者が2%減ったが、中期日程では13%増えた。受験生は受験機会をしっかり確保したいと考えており、コロナ禍の不況を背景に、私立大よりも安い学費で学べる国公立大の人気が上昇した。

私立大では、昨年、志願者数が14%減と大幅に減った反動もあり、志願者数増加の傾向だ。

学部系統では情報関連の学部系統の増加が今年も大きく、理系では理工系や薬、看護、文系では法や社会なども志願者が増加した。

主な大学の状況(16日までの確定分)は、早稲田大2%増、慶應義塾大3%増。早稲田大は英語4技能利用入試で27%増加、慶應義塾大は医・看護医療・薬の増加が目立った。上智大は昨年増えた反動もあってか14%減だが、外国語では増加した。

MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)は、青山学院大、法政大がともに19%増加。明治大は3%増加。立教大4%減、中央大18%減。

近畿では、関西学院大13%増。立命館大5%増、同志社大3%増、関西大1%減。

16日までの集計で志願者数が10万人を超えたのは、多い順に近畿大、千葉工業大、法政大、明治大の4校。1位の近畿大は14万3千人、2位の千葉工業大は12万5千人。両大学とも後期日程が未集計で、千葉工業大はB日程、共通テスト中期が未確定、さらに受験料免除の共通テスト後期も控えている。近畿大の9年連続志願者数1位は目前だが、千葉工業大が強力なライバルとなりそうだ。