私立大学前期入試は志願者数やや減少か
理工系大や医療、女子大などで志願者増加
私立大学の一般選抜が始まった。
22年度の大学入学共通テストは平均点が下がり、国公立大志望者の中には2次の出願をどうするか迷った生徒も多かったのではないだろうか。一般選抜では、都市部で新規感染者が急増し受験機会を確保できるか不安を抱える中、併願しやすい入試の人気が高いようだ。
私立大前期一般選抜の志願状況をみていこう(原則として1月末に出願を締め切った方式で、大学入学共通テスト利用方式を含む。*は集計中、2月1日判明分)。
首都圏の難関大は、早稲田大は2%増、慶應義塾大3%増、上智大14%減。早稲田大は、共通テストを利用する方式に限ると14%の減少で、出願締切が共通テスト実施後だったことも影響したのかもしれない。その他の一般選抜では、英語4技能テスト利用型での増加が目立った。慶應義塾大は医・薬・看護医療を中心とした増加だ。上智大は学部の中では外国語・神が16%増と突出し、その他の学部が大きく落ち込んだ。理系の東京理科大は7%増加。
MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)では、青山学院大が19%増、法政大*が19%増と大きく増加、明治大*は3%増、立教大は4%減、中央大は18%と大きく減った。青山学院大は全学部日程で40%増、法政大は英語外部試験利用入試が49%と大幅に増えた。中央大は共通テストを利用する方式での志願者減が著しいが、それ以外の選抜は1%減と昨年並みとなっている。
このほか、首都圏で志願者が増加した大学を挙げると、千葉工業大37%増、工学院大12%増、國學院大11%増。理工系の大学が人気だ。また、大妻女子大23%増、東京女子大21%増、津田塾大6%増、日本女子大5%増と女子大の志願者数増加も目立つ。
首都圏の総合大学は、青山学院大や法政大を除くと現時点では昨年並みか、やや減少の傾向だ。増加した大学は、学内併願で増えた可能性が高い。感染が急激に広がる状況で、少ない受験回数で受験機会を効率よく確保するのが今年の受験スタイルとなっているのかもしれない。
近畿圏では、関西学院大13%増、立命館大5%増、同志社大*3%増、関西大1%減。このほか志願者数が増加した大学には、近畿大、佛教大、京都女子大などがある。大阪経済法科大は、学部・日程・型式の併願受験料減免により昨年の倍以上に増加した。
2月1日までの判明分で志願者数が10万人を超えたのは多い順に近畿大、明治大、千葉工業大の3校。近畿大は13万7290人で、後期の出願を待たずに昨年の最終志願者数を超えた。最終的な志願者数は、後期の出願締切後に確定するが、22年も近畿大が一般選抜の志願者数トップになりそうだ。