大学入学共通テストの平均点(中間集計)発表
全体に難化、数学や生物などで平均点が大幅ダウン
1月15日・16日に行われた大学入学共通テストの平均点(中間集計)が大学入試センターから発表された。
主要19科目(英語〈リーディング・リスニング〉、国語、数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学B、世界史B、日本史B、地理B、現代社会、倫理、政治・経済、「倫理、政治・経済」、理科①〈基礎理科〉、理科②〈専門理科の物理・化学・生物)を昨年同時期の平均点(第一日程の中間集計)と比較すると、10科目が昨年よりダウンした。
過去の共通1次試験や大学入試センター試験の例を見ても「2年目は難化」する可能性が高いと言われていたとおり、厳しい結果になった。
教科・科目別に見ていこう。
英語は出題の形式に大きな変更はなく、リスニングは昨年同様、第3問以降は1回の音声で解答する。難易度も昨年並みで、平均点はリーディングが63.29点、リスニングが60.56点と、ともに昨年より約3点アップした。
国語は54.39点(100点満点に換算)、「近代以降の文章」が難化し、昨年より3.63点ダウンした。
数学は、数学Ⅰ・数学Aが40.25点で18.95点ダウン。計算量が増え、読解力や思考力をも問われる出題だったため、文系理系を問わずほとんどの生徒が難しいと感じたのではないか。平均点4割は、大学入試センター試験を振り返っても過去最低レベルだ。数学Ⅱ・数学Bも45.89点で16.96点と大幅ダウン。問題量が増え、考える力が問われる内容で、解答時間が不足した生徒も多かったようだ。
地理歴史は、日本史Bが54.92点で11.14点と大きくダウンした。世界史Bは68.01点で2.22点アップ、地理Bは61.15点で1.37点ダウン。
公民は、倫理が63.70点で8.06点ダウン。「倫理、政治・経済」が69.89点で昨年並み。政治・経済は58.98点で7.66点アップ、現代社会は63.13点で8.79点アップした。
理科は理科①(50点満点)の物理基礎が31.46点で6.66点ダウン、生物基礎が25.15点で5.02点ダウン。化学基礎は29.08点で3.48点アップ、地学基礎は36.59点で1.88点アップ。
専門理科の理科②は、物理が61.97点で3.08点アップ。化学は49.45点で3.35点ダウン、生物は50.08点で23.06点ダウン。化学と生物は昨年20点以上の差がつき得点調整の対象となったが、今年はともに5割の平均点となった。
5教科7科目の合計点も大きく下がった。昨年の結果との比較ではなく、今年の受験生の中でどれ位のレベルなのかを冷静に考えるようにしたい。平均点が下がると、国立難関大の志望者が準難関大へ、国立大を諦めて公立大へとシフトする傾向があるが、そうなると国立難関大の倍率が下がり、シフトした先の大学が難化することになる。誰もが思うように得点できなかったのだと割り切り、目指してきた目標を諦めないことが大切だ。