大学入学共通テストで得点調整を実施
私立大の共通テスト利用入試は志願者減
大学入試センターは22日、16日・17日に行われた初めての大学入学共通テストにおいて、公民3科目と理科②3科目の得点調整を行うと発表した。同日に公表された平均点(中間集計その2)で、対象科目中、公民最高点の倫理と最低点の政治・経済で22.09点、理科②最高点の生物と最低点の化学で21.59点の差があり、これが問題の難易差に基づくものと認められたためだ。得点調整が2教科で実施されるのは、大学入試センター試験の前身となる共通一次試験を含め、初めてのことだ。
国語と英語の平均点が昨年並み、数学の平均点がアップし、一部の受験生には得点調整による加点もあり、共通テストの平均点は昨年よりアップした。大手予備校の推計では、5教科7科目の総合点は文系・理系ともに上がっている。
今週末の30日・31日には共通テスト第2日程と追試験が実施される。追試験の受験許可者数は昨年の約6倍の1729人で過去最多となった。
私立大の共通テスト利用入試は、共通テスト実施前に締め切る大学が多い。志願者数は現時点で集計中のところがほとんどだ。26日までに判明した志願状況を見ていこう。*は出願受付中または集計中で未確定、印のない大学は確定値で、昨年のデータと比較した。
共通テスト利用入試は、併願しやすく感染リスクも低い入試だが、制度初年度でもあり、積極的な出願にはならなかったようだ。
首都圏の難関大では、上智大が共通テストを利用する入試を初めて導入する。個別試験のない共通テスト利用型の志願者は5423人。今年から共通テスト併用になった一般選抜の志願者数が大きく減ったが、その減少を補い合計では昨年より微増となった。このほかの難関大では、明治大(共通テスト前期)*が2%増となったほかは、立教大(共通テスト)1%減、青山学院大(共通テスト)15%減。まだ未確定だが、中央大(共通テスト前期)*は13%減、法政大(共通テストB・C)*は22%減。東京理科大(A方式)も21%減だ。なお、早稲田大は今年から共通テストの利用方法や実施学部を変更したため、比較をしなかった。
近畿圏では、関西大(共通テスト前期・併用)が10%増、関西学院大(共通テスト1月)は6%増となったが、同志社大(共通テスト〈A方式除く〉)は22%減、立命館大(共通テスト)*は29%減となっている。
増加した大学を挙げると、首都圏では、受験料免除とした千葉工業大(共通テスト前期)が29%増、近畿圏では大阪産業大(共通テスト前期〈プラス含む〉)*68%増など。大阪産業大は、「共通テストプラス」の受験料を免除、同方式は昨年の約3倍に志願者が増加している。