今週末に第1回大学入学共通テスト
難関国立大が人気、現役生強気の入試に?
16日、17日に、初めての大学入学共通テストが実施される。知識の理解の質を問う問題や、思考力、判断力、表現力等を発揮して解くことが求められる問題を重視した出題になると見られる。昨年までの大学入試センター試験と異なる点だ。学習指導要領の改正時のような浪人生への配慮はなく、卒業年度を問わず受験者全員が、過去問のない新しい試験に挑戦する。
共通テストの志願者数は53万5245人で前年のセンター試験と比べ4.0%減。現役生はほぼ昨年並みであるのに対し、浪人生が約2割減と大きく減ったのが特徴だ。2020年度に実施される入試改革を敬遠し、昨年、現役進学を決めた受験生が多かったと考えられる。浪人生は現役生よりも勉強量が1年分多く有利な立場といえるが、今年は浪人生が目立って減少し、新テストになったことで現役生にも大いに分がある入試になりそうだ。
昨年の春に高校が休校になり学習が遅れ、現役生は入試を不安視していると見られていた。しかし、大手予備校によると、難関大をめざす現役生は、浪人生を上回る学力を備えているという。一昨年末からの相次ぐ変更に振り回されながらも、共通テストに絞り込んだ対策を進めてきた。さらに、課外活動等ができず、総合型選抜などを最初から視野に入れないで、一般入試に向けた勉強に打ち込んできたこともある。
共通テスト前の国公立大志望状況は、難関大が人気となる強気の傾向となっている。大手予備校の調査では、東京大をはじめ、北海道大、東京工業大、一橋大、名古屋大、京都大などで昨年以上の志望者のようだ。このほか、地方の国立大も地元志向を反映して前年並み。学部系統別では、医学部や情報系が増加傾向だ。国立大は年々志願者が減っているが、センター試験から共通テストに変わることで、流れが変わるかもしれない。
コロナ禍への対応で、東京外国語大が試験時間を短縮し昼食時間をはさまない時間割とした。もともと教育学部の一部を除き、共通テストの成績だけで合否を決めるとしていたのが横浜国立大。緊急事態宣言の発出を受け、山陽小野田市立山口東京理科大も2次試験を中止する。国公立大は急な変更もありえるので、入試に関する情報は試験直前までこまめに確認しておくことが必要だ。