今年は「オンライン」でオープンキャンパス
動画だけでなく、自身で体験して知ることも大切
写真=近畿大学では通常のオープンキャンパスを中止し、キャンパスをOPENしない「CLOSE CAMPUS」を開催
オープンキャンパスは、志望大学の決定に欠かせない。
例年は3月後半から始まり、7~8月にはほぼすべての国公私立大が実施していた。秋以降にも行われ、大学によっては一般入試直前の時期まで行うところもある。しかし、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、多数の人が集まるイベントの開催が難しくなった。大規模総合大学では来場者が数万人となることもめずらしくなく、各大学では当初予定していた日程の中止を発表している。
こうした状況を受けて、今年はオンラインで行う「WEBオープンキャンパス」が注目を集めている。キャンパスでの開催を中止する代替として、コンテンツを制作し今月から公開する大学が増えてきた。時間や場所の制約がなく、どこからでも参加できるメリットも加わった。
主な内容は大学紹介、入試説明、施設紹介、模擬講義、入試対策講座、学生生活の情報、駅からの道順など。これらが動画やスライドショーで展開される。
大学サイトに常設するタイプと、期日指定で開催するタイプの2種類があり、後者は事前申し込み制とする大学が多い。1対1で行われる個別相談は、指定アプリのインストールや時間予約が必要だ。
今年は大学入学共通テストの導入に伴い、入試改革を行う大学も多い。総合型選抜や学校推薦型選抜の受験を検討している生徒は、ここで情報の収集・確認をしておくといいだろう。
一方、小規模大学や実習・実技が多い学部学科のある大学は、オンラインではなくキャンパスで開催するところもある。参加人数を制限し、個別対応で体験プログラムを用意するなど、工夫しているようだ。
「WEBオープンキャンパス」で大学の理解を深めても、一度はキャンパスへ足を運んでおきたい。動画で視聴したキャンパスの様子は、「見せたい」部分だけを切り取った「クローズド」な情報でもある。生徒自身の目で見て感じる大学の雰囲気と一致しないこともあるからだ。
今までは多くの大学が集まって開催される合同説明会があった。ここで今までよく知らなかった大学との出会いがあり、資料を入手し、オープンキャンパスへ参加するという志望校選びのルートがあった。しかし、合同説明会も中止され、受験生の大学選びの機会が限られてしまった。そうなると、知名度の高い大学に志望者がよりいっそう集中する可能性もある。多くの大学を生徒が知るようにすることも大切になってきている。