金沢工業大学AIラボ(所長・中沢実教授)は現在、AIエージェント「AI沢みのり(えーあいざわ・みのり)」の開発に取り組んでいる。音声での質問に対し、3DCGキャラクターが音声で回答するもので、4月27日(日)に開催されるオープンキャンパスで初めて公開される予定だ。
これまで同大学のオープンキャンパスでは、「何でも相談コーナー」において、高校生や保護者からの多岐にわたる質問に対し、経験豊富な職員が対応してきた。「AI沢みのり」はその役割を、3Dの人型アバター(VRM:Virtual Reality Modeling)で代替することを目指している。
アバターの制作は情報工学科4年の山本航輝さんが担当し、システムの実装は中沢研究室のメンバーが中心となって行った。システムは大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)と、RAG(検索拡張生成:Retrieval-Augmented Generation)と呼ばれる最新技術を活用しており、ウェブページやデータベースなどの外部データからも情報を取得・学習することで、LLM単体では難しい正確かつ自然な回答を実現する。
オープンキャンパス当日は、扇が丘キャンパス31号館2階の中沢実研究室にてデモ体験を実施する予定。来場者は、6学部17学科の特徴や入試制度、合格の秘訣のほか、留学や海外生活、キャンパスライフ、イベント情報、卒業後の進路や就職活動、さらには最新の研究活動などについて、音声で質問することができる。AI沢みのりは音声認識を通じて質問内容を把握し、3DCGキャラクターがリップシンク(音声に合わせた口の動き)で応答する。学生目線での回答も取り入れる計画だ。
金沢工業大学では、今後このAIエージェントをオンライン上でも展開していく構想を持っている。