キャンパスで体感、WEBで視聴や相談
コロナ禍で多様化したオープンキャンパス

イベント 小松 栄美
キャンパスで体感、WEBで視聴や相談 コロナ禍で多様化したオープンキャンパス

コロナ禍は志望校の選択にも影響を及ぼし、昨年は、オープンキャンパスの開催を見送った大学が多かった。例年なら7~8月にほとんどの国公私立大学が実施していたところが、人の集まるイベントは感染リスクが高く、クラスター化することを恐れたためだ。オープンキャンパスは、大学の雰囲気を肌で感じるのには絶好の機会だ。さらに専門分野への興味を深めたり学生生活への不安を解消したりしながら大学を深く知ることができる。複数の大学を見て比べ、大学の違いを知り、志望校を絞り込む機会が減ってしまった。

大学キャンパスを会場にしたオープンキャンパスに代わって広がったのが、WEBを活用したオンライン型のオープンキャンパスだ。現地での体感には及ばないが、大学のアピールポイントが的確に伝わるよう多様なコンテンツが用意されている。

今年は、大学で開催する来場型とオンライン開催を併用して実施する大学が多い。これらを同日に行うハイブリッド型もある。内容は、大学説明、学部学科の説明、模擬授業やキャンパスツアー、個別相談など、プログラムは来場もオンラインもほぼ変わらない。

オンライン型は、パソコンやスマホなどの通信手段さえあれば、遠隔地でも参加でき、ビデオ会議のアプリを利用した個別相談も可能だ。移動時間がないため1日に複数校でも大学訪問ができる上、来場型だと社会情勢によっては急遽中止されることがあるのに対して、そのリスクもない。

また、大学特設サイトや動画投稿サイトに大学紹介動画をアップし、いつでも視聴できる通年型で公開する大学も多い。大学パンフレットと併用すれば、より理解が深められるだろう。ただ、オンライン型オープンキャンパスとして公開する場合は、期日や期間を限定し、事前予約が必要となることも多い。SNSによる情報発信も増え、リアルタイムで大学の「今」に触れることができるようになってきた。

来場型は、昨年は大規模大学で中止が相次いだ。今年開催を予定している大学は、感染予防対策を施し、参加者にはマスク着用を義務づけている。事前申込制にして入場者数に上限を設けたり、模擬講義なども定員制にしてソーシャルディスタンスの確保を図る。

今年6月の実施状況を見ると、緊急事態宣言を受けて来場型を中止し、WEBのみの開催に変更した大学もある。今後も状況に応じて開催方法や日程を変更する可能性があり、事前に確認の上、参加するようにしたい。