大学が独自に提供する給付型奨学金制度を活用しよう
写真=入試の成績優秀者に奨学金給付の機会を設ける明海大学
給付型奨学金なら卒後の返還不要で安心 入学前予約型給付奨学金の導入校も増加
大学進学後は、安心して学べる環境が重要で、生活の安定は不可欠の条件だ。大学在学中の生活を経済的に支援する制度が、各種の奨学金である。
奨学金には貸与型と給付型がある。貸与型は所得など一定の要件を満たせば比較的容易に受けられるが、原則として卒業後に貸与額分の返還義務があり、利子が付加される場合もある。卒業後の返還は負担も大きい。一方、給付型は返還義務がない。現金が給付されるほか、入学金・授業料の減免なども給付型に含まれる。多くの大学で実施する給費生・特待生制度も給付型奨学金だが、一般に高い成績基準も求められる。
日本では日本学生支援機構(JASSO)の奨学金が最大規模だ。JASSO奨学金の基本は貸与型だが、2017年度から給付型奨学金も始まっている。しかし給付型は経済要件等が厳しく、必ずしも採用規模が大きいとはいえない(2019年度で1万2321人=大学学部進学者のみ)。
だが、給費生やJASSO給付奨学金以外にも、大学独自の給付型奨学金があり、しかも貸与型と申請要件が大差ないものも多いので、積極的に活用したい。私立大でも国公立大との学費差額分の奨学金給付があれば、経済負担は同等といえるのだ。
近年は、入試前に申し込み、入学を条件に支給する入学前予約型の給付奨学金が増えている。首都圏大学でも青山学院大「地の塩、世の光奨学金」、学習院大「目白の杜奨学金」、慶應義塾大「学問のすゝめ奨学金」、法政大「チャレンジ法政奨学金」、明治大「おゝ明治奨学金」、立教大「自由の学府奨学金」、早稲田大「めざせ!都の西北奨学金」など枚挙にいとまがない。地方出身生に限定するものもあるが、採用予定数が大規模で受給可能性の高い奨学金が多いので、受給条件を調べてみよう。
このほか明海大「学修奨励奨学金」「資格取得奨励奨学金」、専修大「自己啓発奨学生」、東海大「自己研鑽奨学金」など、成績優秀者、スポーツ活動実績者、特定の資格取得者などに給付される奨学金もある。
さらに独自の学生支援として、海外留学者支援奨学金、経済状況急変者支援制度などを持つ大学もあるので、志望校の入学案内やホームページ等でチェックしてみるといいだろう。