SDGsの啓発にカードゲーム。金沢工業大学の学生が開発、注目を集める

教育
SDGsの啓発にカードゲーム。金沢工業大学の学生が開発、注目を集める

国連設定の国際目標「SDGs」は、2030年までに全世界が17のゴール(目標)の達成に向けて取り組み、持続可能な社会をつくる第一歩を踏み出そうとするものだ。新学習指導要領にも「これからの学校には(中略)持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる」と盛り込まれているが、世界に比べ日本国内はまだまだ認知度が高くなっていないのが実情である。

こうした中、金沢工業大学には、SDGsで社会を変えようと活動する学生団体、SDGs Global Youth Innovators」が活動し、「THE SDGs アクション カードゲーム X(クロス)」を株式会社リバースプロジェクトと共同で開発、インターネットで無償公開しており、小中学生や高校生への普及に努めている。

Xは「トレードオフカード」「リソースカード」の2種類のカードを使用して、SDGsの達成に向けたアイデアの創出を目指すゲーム、難しく捉えられがちなSDGsの理解や、目標達成のためのアイデア創出に、楽しみながら取り組むことができる。


社会問題や国際平和を扱うゲームは往々にして難解で押しつけがましくなりがちで、自由な時間にやりたいと思えるものは少ないが、Xは参加者が「楽しめる」ことを第一義として作られているので、難しいことを考えずに遊ぶことができる。


その中でXが最も大切にしていることは、プレイした人全員が「取り残される」ことなく「楽しめる」こと。Xがカードゲーム形式になっているのは小さな子どもでも楽しめるための仕掛けでもある。


Xのもう一つの特徴は、基本パッケージにプラスしてオリジナルのカードが作成可能である点で、それぞれの地域や組織の実情に沿った「トレードオフカード」や「リソースカード」を作ることで、自分たちの課題を主体的に解決するためにXを活用できるのだ。


SDGs未来都市に選定されている白山市では、すでに白山市版のカードが正式に作られて、白山市の市民や職員がそれを活用して、地域の課題解決に取り組みはじめている。また海外でもベトナム版やインド版の制作がはじまっている。


Xは楽しみながらSDGsについて学ぶとともに、子どもたちの興味関心を引き出すことができるツールとなっている。また他人の意見を尊重しつつ、自分の考えをまとめる点は、昨今小学校から高校までで取り入れられている総合学習や探求学習に最適なツールと言えよう。


Xの詳細
https://www.kanazawa-it.ac.jp/sdgs/application.html

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