成城大学が、文系大学から「理数系教育を積極的に行う」大学へ
データサイエンス教育研究センターのミッション=写真
成城大学が、2019年4月にデータサイエンス教育研究センターを開設
成城大学(東京都世田谷区 学長:戸部 順一)はこのたび、データサイエンス教育研究センターを開設した。ミッションは、データに関心を持ちデータに基づき考え行動する学生を育てること、そして人文・社会科学の分野におけるデータサイエンスの応用を開拓することだ。
センターのミッション
データサイエンスの視点を持った文系人材を育成
文系大学である成城大学において、学生たちにデータ・ドリブンな思考(データを起点とした論理的・科学的な思考)を身に付けてもらうことがねらい。学生にそれをわかりやすく伝える。
例えば、ソーシャル・ネットワークやスマートフォンなどの身近な話題を通して「ビッグデータ」について学ぶ。それによって私たちの身近な世界とデータサイエンスの関わりを深く理解することができる。
さらに、データサイエンスの分析技術、活用技術を実例により学ぶことで、データ・ドリブンな思考により課題を発見する方法と、解決する力を身につける。これらの力は、それぞれの学生が生きていく世界での武器となる。
これまでも成城大学では、データサイエンスに特化した科目群を全学生の共通科目として設置し、「理数系教育」にも力を入れてきた。日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所と包括的な連携協定に基づき、2015年に全国の文系大学の中でもいち早くデータサイエンスの授業(データサイエンス科目群)を開講。学生からの人気も高く、これまで300 名を超える学生が受講した。
本プログラムは、「概論」「入門I・II」「応用」など段階的に学べる6 科目からなり、基礎から応用まで、学生それぞれのレベルに合わせた授業を展開する。人文学・社会科学の専門知識をベースに、情報を活用する知識と技術が学べるデータサイエンスを加えることで、独創性を備えた教養人を育てることが目標である。
授業紹介(抜粋)
◆ データサイエンス概論
ビッグデータの分析技術や実際の適用事例を学ぶ。ビッグデータには、数値データだけでなく、テキストや映像、写真、音声といった、従来はデータ分析の対象になっていなかったものも含まれる。アプリケーションの作成も体験する。
◆ データサイエンス入門I、II
ビッグデータの利用やその解析手法の基礎を学ぶ。データサイエンスの基礎的な知識・技法を理解することで、問題や課題を見つけ出す方法と、その解決策を考える力を身に付ける。
◆ データサイエンス応用
RやPythonなどのプログラミングを通して、自然言語処理や時系列解析、ネットワーク分析といった高度な分析手法を学ぶ。データサイエンティストとして、社会のニーズに応えられる技術力を身に付けることが目標。
◆ データサイエンス・ディブロマ
データサイエンス科目群では、ビッグデータなどの多種多様な情報を効果的に活用するための知識と技能を学習し、データ分析力を養う。所定の単位を修得していくと、段階的に「データサイエンス基礎力ディプロマ」、「データサイエンスEMSディプロマ」の二つの認定証が授与される。
- ◇成城大学データサイエンス教育研究センター
- データサイエンス科目群は、2018年度までは共通教育研究センターの運営であったが、2019年4月より、データサイエンスを対象とする新たなセンターとして独立した。
英語名称は、「Education and Research Center for Data-driven Social Sciences and Humanities of Seijo University」(愛称CDS3シー・ディー・エス・キューブ)。