大阪大学が女子中高生向けの広報冊子「will」を発行 –進路選択におけるアンコンシャス・バイアス払拭を目指す

教育
大阪大学が女子中高生向けの広報冊子「will」を発行 –進路選択におけるアンコンシャス・バイアス払拭を目指す

大阪大学が、女子中高生向けに大学生活の魅力を伝える広報冊子「will」を発行した。本冊子は、先輩からのエールであり、同大女子学生のリアルな姿を伝えるものだ。学年別の女子学生インタビューや理系学生の対談、留学体験、卒業生からのメッセージなどが紹介されており、女子中高生の関心事に応えている。

発行の背景には、経済協力開発機構(OECD)が2022年に公表した研究により、STEM分野における女性の割合が日本で最低水準であることが明らかになったことがある。大阪大学でも理工系分野を中心に女子志願者数が30%を割る状況が続いており、この問題を解決すべく様々な取り組みが行われている。特に、自然科学系のオープンキャンパスでは女子生徒が参加しているものの、志願まで至っていないケースが多い。障壁の一因には、保護者や教諭など周囲のアンコンシャス・バイアスによる影響が根強く残っていることは否めない。

本冊子では、自分の意志で進路を選び、学び、未来を描く本学の女子学生・卒業生の活躍をロールモデルとして提示することで、本人や周囲の大人に潜む障壁となっているアンコンシャス・バイアスを払拭し、女子中高生が安心して希望する進路を選択できるように、との思いを込めて制作が行われた。

「will」はデジタルパンフでも閲覧可能。今後は大学説明会やその他イベントで配布される予定だ。この冊子を通じて、女子中高生が自分の意志で進路を選択し、将来を描けるように支援されることを目指している。