教育力が高い大学ランキング2021(女子大学編)
写真=津田塾大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「教育力が高い大学(女子大学編)」だ。
1位は津田塾大学で17ポイント。同大の教育の特色として、少人数制のセミナーや充実した語学教育、専門性を深められるコース制、所属学科・コースにとらわれずに興味に合わせた科目を履修できる柔軟なカリキュラムなどが挙げられる。なかでも定評があるのは、英語力と専門知識が相乗効果をもたらすように考えられた英語教育だ。学芸学部では1・2年次に英語4技能を徹底的に学び、3・4年次ではそれらを活用して「英語で考え、英語で発信する力」を養う。総合政策学部では多様な他者との合意形成を目標に、英語でネゴシエーションやプレゼンテーション、ファシリテーションする力を養う。学生は専門分野の知識と理解を深め、幅広い視野と高度な専門性、確かな英語力を身につけて卒業していく。
2位は日本女子大学と神戸女学院大学が8ポイントでランクイン。
神戸女学院大学は、3学部5学科(英文、総合文化、音楽、心理・行動科、環境・バイオサイエンス)を擁し、学科を越えて柔軟に学べるカリキュラムを展開。所属学科の学び(主専攻)とは別にマイナー(副専攻)として1分野を選択することができるため、学生が自らの興味に合わせてカリキュラムを構成し、学びの幅を広く深くできることが学生の満足度にもつながっているという。また、各学科の専門性に合わせた全学科共通英語教育は、英語が得意な学生だけでなく、苦手意識をもつ学生の力もしっかり伸ばす内容だ。磨き上げた英語力を生かす機会も多くあり、30カ国以上、100を超える海外大学への留学が可能。留学・研修期間の学費が4分の3免除、海外の学費が免除となる費用面での支援も充実している。
4位には、奈良女子大学、共立女子大学、女子美術大学、椙山女学園大学、神戸親和女子大学、ノートルダム清心女子大学、尚絅大学が5ポイントで並んだ。今回は、奈良女子大学を取り上げる。
西日本唯一の国立女子大学である同大は、「女子の最高教育機関として、広く知識を授けるとともに、専門の学術文化を教授、研究し、その能力を展開させること」を目的とした教育を行っている。既存の文学部、理学部、生活環境学部に加え、2022年4月からは日本の女子大学初の工学部が始動。1学年約500人の学生に対し、常勤の教員数が約200人という少人数教育も特長だ。4月にスタートした工学部工学科では、PBL(※)演習を軸に「つくること、知ること」を循環的に体験しながら学ぶ。履修する科目や年度は学生が主体的に決めることができるため、生体医工学、情報、人間環境、材料工学の専門だけでなく、分野横断的に学ぶことで、さまざまな知識・技術を身につけ、未来をつくるイノベーターをめざす。
※Project Based Learning:問題解決型学習、課題解決型学習
<表の見方>
-
全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。