面倒見が良い大学ランキング2021(中国・四国編)
写真=広島大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「面倒見が良い大学(中国・四国編)」だ。
1位は広島大学で37ポイント。同大では、教育の質向上と卒業生の質の確保を目指し、独自の到達目標型教育プログラム「HiPROSPECTS®」を展開。学生の到達度を可視化し、確実に目標に向かうためのシステムで、学士号取得のため、専門分野について求められる知識を修得する「主専攻プログラム」に加え、他分野の概要を学べる「副専攻プログラム」、特定のテーマや資格取得を目指す「特定プログラム」により、学生の多様な学習意欲に応えている。さらに、21年度からは情報・データサイエンス科目も必修化され、教育のデジタル化も本格的に始動。コロナ禍で困窮する学生への支援金も継続し、安心して学業を続けることができる環境を提供している。
2位は島根県立大学で14ポイント。2007年設立の同大は、地域政策学部、看護栄養学部、人間文化学部、国際関係学部の4学部を擁する公立大学だ。浜田キャンパス、出雲キャンパス、松江キャンパスの3つのキャンパスに分かれ、小規模ならではの学生一人ひとりに合った丁寧な指導を行っている。1年次からキャリア教育を展開し、就職活動においても就職相談のほか資格取得支援など、それぞれの学生に合ったきめ細かなサポートを実施。2020年度卒業生の就職率は98.6%と高水準を維持している。また、コロナ禍においては、世帯年収約590万円未満の学生に対し年間授業料の1/2を減免、困窮する学生に対し18万円を上限に生活資金を貸与したほか、全学生を対象に遠隔授業受講支援として1万円を給付した。
3位は岡山大学と高知工科大学が13ポイントでランクイン。ここでは高知工科大学を取り上げる。1997年開学の同大は、日本で初めて「クォータ制」を導入し、ほとんどの講義が3限までで終了するように設定されているなど、先進的な取り組みが特徴だ。1年次から各学生に指導担当教員がついて履修などの指導を行う「指導担当教員制」や「オフィスアワー」の導入にもいち早く着手し、学生が安心して学べる環境が整っている。さらに、企業の研究開発部門やマネジメント部門で経験を重ねた教育講師が学生を4年間サポートする「教員講師制度」も設けており、専門科目の教員とは異なる視点によるアドバイスを行い、日々の学びから就職まで多面的に学生を支援している。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。