小規模だが評価できる大学ランキング2021(中国・四国編)

教育
小規模だが評価できる大学ランキング2021(中国・四国編)

 写真=高知工科大学香美キャンパス

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「小規模だが評価できる大学(中国・四国編)」だ。

1位は高知工科大学で17ポイント。全教室の半分以上が「セミナー室」という同大では、教員1人に対し学生約10人の少人数制が徹底され、1・2年次の早い段階から「セミナー」や「学生実験」を行うことで、研究のおもしろさにふれることができる。また、1・2年次に4つの学群内で幅広く学び、3年次に専攻を選択する「学群・専攻制」を採用。他学群の専攻を副専攻にすることも可能だ。さらに同大には必修科目がなく、他学群の科目を自由に選択できる「全科目選択制」を敷いている。1年次から各学生に指導担当教員がつく「指導担当教員制」により、指導担当教員のアドバイスのもと、学生一人ひとりの目標に応じたオリジナルのカリキュラムを組むことができる。

2位は美作大学で15ポイント。同大は、地域の生活を支える「食と子どもと福祉」の人材を育成してきた。専門職に必要な知識や技能を効果的に身につけるカリキュラムと、現場経験が豊富な教員によるきめ細かな指導に加え、地域をキャンパスとして授業で学んだことを確認し、実践力を高める学外実習が充実している。同大の4つの理念・目標の一つに「小規模大学の特性を生かし、学生の個性を尊重し能力を向上させ、創造的で自立した人間の育成を目指す」がある。専門職としての使命感を醸成し、資格取得を確実にする実践教育や、地域の暮らしを支えるエキスパートを輩出する就職力に加え、自由な学風の中、学生と教員が生み出す総合力のもと、互いに成長できる環境が整っている。

3位は島根大学で10ポイント。同大は松江と出雲2つのキャンパスに6学部4研究科、文系、理系、医学系の学生約6000人が学んでいるが、学生一人ひとりに応じたサポートに力を入れている。たとえば、新入生が抱えるさまざまな不安や問題を解決したり、後輩学生の学習や大学生活を先輩学生が支援したりする「ピアサポートプログラム」がある。履修登録のアドバイスから、授業の課題がうまくできないときのサポートなど、新入生は安心して大学生活を始めることができる。キャリア支援においても、それぞれの学部の特色に応じた独自の就職セミナーや説明会を行うほか、学科・コースごとに就職担当教員を配し、大学教育センター(キャリア担当)と連携しながら、進路・就職に関するアドバイスを行っている。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。


小規模だが評価できる大学ランキング2021(中国・四国編)