小規模だが評価できる大学ランキング2021(北陸・東海編)

教育
小規模だが評価できる大学ランキング2021(北陸・東海編)

写真=金沢工業大学 教育DXの取り組みのひとつとして設置された多地点等身大接続システム

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「小規模だが評価できる大学(北陸・東海編)」だ。

1位は金沢工業大学で40ポイント。「Society 5.0」を切り拓く人材育成に努めてきた同大は、2022年度から「教育DX(デジタルトランスフォーメーション)」と「AI・データサイエンス教育」を本格導入する。文科省の「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」に採択された「DXによる学生一人ひとりの学びに応じた教育実践」では、学生の入学から卒業までのデータを集積・解析し、「学生がどのように学びを深めたか」「学生がどのようにつまずいたのか」などのポイントを抽出。これらを基に教員とAIが個別支援する。また、全学展開予定の「数理・データサイエンス・AI教育課程」では、2022年度入学生から「データサイエンス入門」ほか3科目を必修とし、技術革新に対応した学修を加速させる。

2位は名古屋商科大学で14ポイント。タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が発表した「世界大学ランキング日本版2021」の国際性の分野で東海北陸地区1位にランクインするなど、国際ビジネスで活躍できるグローバルリーダー育成をめざす同大の教育に注目が高まっている。なかでも名古屋キャンパス(BBA)では、教養科目から専門科目までの全科目を「BBAプログラム(実践的な経営学の学修課程)」と題したアクティブラーニング形式で実施。企業の事例をもとに、実際のビジネス課題への対応法を当事者意識を持って考え、ディスカッションやグループワーク、学外で消費者の行動を観察するフィールドワークなどを通して、課題発見力や意思決定力、主体的な発信力を身につける。

3位は豊田工業大学で11ポイント。同大は、トヨタ自動車が社会貢献事業の一環として1981年に開学。「企業と創る自立型人材の育成」をめざし、産学一体となった教育・研究環境を整えている。同社より財政支援を受けており、授業料は年額60万円。教員一人あたりの学生数は約10人、実験や実習は5〜8人で行う少人数教育が特徴だ。機械システム、電子情報、物質工学の3分野すべてを学ぶカリキュラムで工学の総合的な理解を深めながら、多角的な発想や問題解決力を養う。また、英語教育の強化にも取り組んでおり、通常の英語講義に加えて論文の書き方やプレゼンテーションを学ぶ講義、TOEIC・TOEFL対策講座など、4年間を通して英語を重点的に学ぶことができる。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。


小規模だが評価できる大学ランキング2021(北陸・東海編)