教育力が高い大学ランキング2021(北陸・東海編)

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教育力が高い大学ランキング2021(北陸・東海編)

写真=名古屋大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「教育力が高い大学ランキング(北陸・東海編)」だ。

1位は名古屋大学で72ポイント。同大は2020年、全国初の1法人複数大学である「国立大学法人東海国立大学機構」を岐阜大学とスタートさせた。国際競争力が強い名古屋大と、地域共創貢献力に秀でた岐阜大、それぞれの強みを生かした教育・研究に注目が集まる。両大学の教育関係組織を連携する「アカデミック・セントラル」を軸に、「高等研究院」や「未来社会想像機構」の創設、海外大学との「ジョイント・ディグリー・プログラム」など、より国際通用性のある質の高い教育をめざしている。教育戦略のキーワードは「共同・連携・共有」。両大学の大学院生と社会人が参加し、企業から提供されたデータをもとに実社会の課題を分析・課題解決を図る「数理・データ科学教育」や、両大学をオンラインで結ぶ「遠隔講義システムを活用した英語学習」など、新たな取り組みを推進している。

2位は金沢工業大学で58ポイント。同大では、学部・学科の枠を越えて、研究者や行政関係者、地域住民、外国人などが授業に参画し、学生と学び合う「世代・分野・文化を超えた共創教育」を展開。プロジェクトデザイン教育や学科横断型の研究室など、産業界との多様な連携により大学で得た知識を社会へ実装する力を養う。学生が企業と雇用契約を結び、実際の業務を行いながら学ぶ「コーオプ教育」も特徴的なプログラムだ。現在はNTT西日本とデータサイエンスの分野で実施しており、学生は第一線で活躍するデータサイエンティストによる寄附講座を受講し、選抜された者が社員として業務に携わる。インターンシップと大きく異なるのは、学生が給与を受け取って企業内で活動すること、また、企業の担当者は同大の客員教員として指導教員と協力して学生を育成する点にある。

3位は金沢大学で10ポイント。同大は「地域と世界に開かれた教育重視の研究大学」という理念に基づき、学生のより柔軟な学びを可能にするため、2008年度から旧来の学部・学科の垣根を越え、異なる学問分野が融合した「学域学類制」を導入している。2021年4月には、新たに「医薬科学類」と「融合学域先導学類」を開設。「医薬科学類」は「生命医科学コース」と「創薬科学コース」から成り、次代の先進医療や画期的な新薬開発に寄与するイノベーティブな研究者を養成する。「先導学類」では、文理にとらわれない幅広い知識とグローバルな観点、実践力を備えた社会変革を先導する人材の育成をめざす。さらに、2022年4月には「融合学域観光デザイン学類」を新設した。人文科学・社会科学・自然科学を有機的に連携させた、文理融合型の学びを展開し、わが国の観光産業の諸課題の解決に寄与する力を涵養する。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。


教育力が高い大学ランキング2021(北陸・東海編)