面倒見が良い大学ランキング2021(北海道・東北編)
写真=東北大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「面倒見が良い大学ランキング(北海道・東北編)」だ。
1位は東北大学で92ポイント。コロナ禍が続くなか、同大では「新型コロナウイルス感染症対策本部会議」、さらにそのコアメンバーに感染症の専門家を加えた「新型コロナウイルス感染症対策班」を設置し、全学方針の策定や感染者等への対応を行ってきた。また、アルバイトの制限などにより生活に支障のある学生が大学業務の一部に携わることで収入支援を受けられる「ピアサポーター制度」や「エキスパートTA制度」なども実施。学生全員にアドバイザー教員を配置し、学習や生活に関する相談ができる体制も整えている。また、各種申請や書類の授受を行う学生窓口についても改革を推進。2021年よりチャットボットを利用したオンライン窓口をスタートさせ、これまで足を運ぶ必要があった申請等の手続きがほぼすべてオンライン上で行うことが可能となった。
2位は国際教養大学で35ポイント。少人数教育を軸とし、学生の力を最大限に伸ばすカリキュラムで評価の高い同大だが、こうした教育を支える学習環境も特徴的だ。まず、約84,000冊の蔵書を誇る「中嶋記念図書館」は、24時間、365日開館。221種の国内外の雑誌や約3,684点の視聴覚資料、約40万タイトルの電子書籍なども収蔵し、自宅などどこからでも検索システムを用いて閲覧することができる。また、英語に限らず多様な外国語に関する豊富な教材を提供し、外国語の自律学習を支援する「言語異文化学修センター」や、大学院生や学部生のチューターが学修支援を個別で行う「学修達成センター」、大学院進学を検討している学生を支援する「アカデミック・キャリア支援センター」など、さまざまな角度から学生の意欲を支える体制が築かれている。
3位は秋田県立大学で20ポイント。1999年開学の同大は、システム科学技術と生物自然科の2学部を擁し、少人数教育を重視している。学部生1672人に対し、教員数は202人。教員一人あたりの学生数は約8人(2021年実績)で、教員と学生、学生相互のコミュニケーションを重視。学年・学科ごとに「学年担当教員」を配置し、各学期の始まりに個別面談を行い、学習や研究、学生生活全般の相談に応じる。さらに、学生がより多くの教員に授業内容や進路などのさまざまな相談ができるよう「オフィスアワー」を設けるなど、教員と学生の距離が近いことが同大の大きな特色と言える。こうした体制はキャリア支援においても同様で、キャリア支援チーム、研究室の指導教員・学年担当教員、キャリア支援委員会、就職推進員と、多角的なサポート体制を整えている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。