小規模だが評価できる大学ランキング2021(北海道・東北編)
写真提供=国際教養大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「小規模だが評価できる大学ランキング(北海道・東北編)」だ。
1位は国際教養大学で251ポイント。開学以来、徹底した少人数でのリベラルアーツ教育を展開する同大では、教員の半数以上(2020年秋学期は57%)を外国人教員が占めている。そうした学習環境で身につくのは、英語で考え、自らの意見を発信し、行動する力だ。授業はすべて英語で行われ、少人数をベースにした豊富なコミュニケーションの機会が、意見を主張する力を磨き上げる。必修となる1年間の留学では、1大学への派遣学生数を1~3人とし、語学ではなく専門分野を学ぶなど内容を重視し、同大への授業料納付によって派遣先大学の授業料を免除される(一部大学を除く)相互免除の制度もあり、学生のチャレンジを後押ししている。また、学内においても4人に1人が留学生(2019年9月時点)という環境で、日々を通して多文化理解を深められる環境が整っている。
2位は会津大学で69ポイント。コンピュータ理工学部のみの単科大学で、情報通信技術(ICT)の研究と教育に特化した国内唯一の大学だ。少人数での授業が多く、教員1人に対する学生数は9.5人。学内にはマルチメディア・コンピュータネットワークが構築され、学生数の2.5倍、約3000台のコンピュータを整備している。コンピュータ理工学は英語を基本とした学問であることから、同大では第二外国語を設けずに徹底した英語教育を行い、卒業論文は英語で作成・発表することが求められる。英語をキャンパスの公用語とし、多様な学生を国内外から受け入れ、外国籍の教員は全体の40%。これまでに交流協定を結んだ世界の大学や研究機関は90カ所を超える。こうした先進的な環境のもと、国際社会で通用するコンピュータサイエンティストや、高いICTスキルを備えたエンジニアを育成している。
3位は公立はこだて未来大学で29ポイント。2000年に開学した、システム情報科学部のみの単科大学だ。同大の注目すべきカリキュラムとして、3年次の必修科目「プロジェクト学習」が挙げられる。教員から提案された20〜25のプロジェクトに対し、1プロジェクトにつき10〜15人の学生と2〜3人の教員がチームを結成し、1年をかけてPBL(※)に取り組む授業だ。1年次に基礎をしっかり身につけて大学4年間の学びに備えるため、同大では「メタ学習ラボ」という学生による学習支援の場を設けている。ここでは学生が「自立した学習者」となれるよう、成績優秀な先輩学生(チューター)がマンツーマンでサポート。プログラミングや数学などについて相談する学生が一人で問題を解けるようになるだけでなく、教える過程でチューター自身も成長することを目的としている。
※Project Based Learning、課題解決型学習
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。