小規模だが評価できる大学2021(近畿編)

教育
小規模だが評価できる大学2021(近畿編)

写真=神戸女学院大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「小規模だが評価できる大学(近畿編)」だ。

1位は神戸女学院大学で32ポイント。同大は1875年創立。以後140年以上にわたり、3つの教育の柱である「キリスト教主義」「国際理解」「リベラルアーツ&サイエンス」に基づき、国際的な視野を兼ね備えた、知性と理性ある女性を育成している。ほとんどの授業が15人以内の少人数で行われるため、学生一人ひとりに応じた丁寧な指導が可能。発言する機会も多くコミュニケーション力が培われるほか、実験や実習も全員が参加できる環境で、豊かな知性と幅広い教養、応用力を育むことができる。また、全学科共通英語教育も特徴の一つ。英語が得意な学生はもちろん、苦手意識を持つ学生の力も確実に伸ばす、各学科の専門性に合わせたカリキュラムが用意されている。

2位は京都工芸繊維大学と神戸海星女子学院大学が17ポイントで並んだ。
京都工芸繊維大学は、工芸科学部のみの単科大学だが、バイオや材料、電子、情報、機械、環境から建築・デザイン分野まで、工科系の多様な学びを展開。「専門力」「リーダーシップ力」「外国語運用能力」「文化的アイデンティティ精神」の4つを“工繊コンピテンシー”と位置づけたカリキュラムを構築している。世界で活躍するデザイナーや建築家との共同活動拠点となる「KYOTO Design Lab」を開設するなど、学外との連携にも積極的だ。また、米国・スタンフォード大学機械工学部で設立された「ME310/SUGAR」に日本で唯一参加し、スタンフォード大の学生とともにグローバル企業から課されたイノベーションの課題に取り組むプロジェクトを続けている。

神戸海星女子学院大学は、小規模の女子大学だからできる“超小人数”制で、自立した「人を支え、輝く。」女性を育てる教育を実践。全体の授業の7割が20人未満の少人数で展開され、実技・実習科目ではマンツーマンの指導を徹底し、アットホームな環境のもと、きめ細かな指導が入学から卒業まで一貫して続けられる。こうした小規模大学の特性を生かした教育は、高い就職実績にもつながっている。キャリアセンターでは、入学直後から個々の思いに耳を傾け、個性と適性を確認していくことで、学生一人ひとりに合わせた指導を実施。就職支援ガイダンスのほか、保育・就職センターなどによる多様なキャリア支援によって、“ミスマッチが起こらない”就職を実現している。

4位は畿央大学で15ポイント。同大は実学重視の教育で、理学療法士、看護師、管理栄養士、建築士、教員、保育士といった「健康」と「教育」のプロフェッショナルを育成してきた。2学部5学科、すべての学生と教職員がワンキャンパスに集い、アットホームな環境で学べることも小規模大ならではの魅力と言える。特筆すべきは、資格を越えた実学教育だ。健康科学部では、3学科混成グループで医療現場を見学する「チーム医療ふれあい実習」、地域の高齢者の運動・健康相談を行う「KIO元気塾」、自らの看護観を考える「へき地医療体験実習」。教育学部では、教育実習の前に1年をかけて教育現場を体験する「学校インターンシップ」など、実際の現場で実践力を磨く独自の教育プログラムを展開している。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。


小規模だが評価できる大学2021(近畿編)