教育力が高い大学ランキング2021(東京編)
写真=東京大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「教育力が高い大学ランキング(東京編)」だ。
1位は東京大学で348ポイント。同大では「多様性をもった学びの場」を体現する、さまざまな体験型活動プログラムも活発に行われている。2012年からスタートした「体験活動プログラム」は、これまでに約2900人の学生が参加。主に休暇期間を利用して、国内外のさまざまな地域でボランティア活動や就労体験、地域活動やフィールドワークに参加し、現地での体験を通して正規授業では得られない学びを経験する。また、社会的課題に果敢にチャレンジするリーダー人材を育成することを目的に、趣旨に賛同した地方自治体の協力のもと実施する「フィールドスタディ型政策協働プログラム」もある。このプログラムでは、各地方自治体に一定期間滞在して現地の人々の声を聞き、学内のあらゆるリソースを活用して課題の解決に1年かけて取り組む。
2位は東京理科大学で85ポイント。2021年に創立140年を迎えた同大の「実力主義」は、新たに「未来を拓く実力」として再定義され、この新実力主義では高い志や専門性、独創性と同時に共創性を重視している。こうした力を養うのが、2020年度から導入された「TUSくさび型教養教育カリキュラム」だ。一般教養科目を5つのカテゴリーに分け、学生は1年次から4年次までくさびを打ち込むように連続して教養科目を選択できる。2021年には教養教育研究院を設立し、かつて4つのキャンパスに分かれていた教養授業を担当する100人の専任教員を集結し、全学的な教養教育を進めている。また、AI人材教育にも注力し、データサイエンスに関する授業を全学的に学べる「データサイエンス教育プログラム」を展開するなど、社会に求められる高い実力を持つ人材育成に取り組んでいる。
3位は早稲田大学で77ポイント。同大ではリベラルアーツ教育の根幹として、2400以上の「全学オープン科目」を展開。各学部が提供する多彩な科目を学ぶことで、学部や学年を問わず、幅広い教養を身につけることができる。さらに、企業や公的機関、NPOなどの寄附により運営される講座も毎年多数開講。第一線で活躍する実業家や政治家、言論人やクリエイターなど500人以上のゲストスピーカーが登壇し、各界の最新トピックに触れることで、ダイナミックに知見を広げることができる。また、主専攻に加えて第二の専攻が学べる「全学副専攻制度」も用意。自分の専門と異なる学問分野を学び、複眼的視点を養う〈学術的副専攻〉と、自分が関心を持つ社会的な問題や学問的な課題について複数の切り口から分析する手法を学ぶ〈学際的副専攻〉、あわせて23のテーマが整備されている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。