面倒見が良い大学ランキング2021(東京編)
写真=武蔵大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「面倒見が良い大学ランキング(東京編)」だ。
1位は武蔵大学で133ポイント。12年連続で東京1位となった。4年間必修のゼミを軸とする徹底した少人数教育が伝統の同大では、教員や他の学生との距離も近く、積極的に発表や対話をすることで、学びに対する主体性が育まれる「アクティブ・ラーニング」を開学時から実践してきた。語学など他の授業もゼミ形式のものが多い。また、キャリア支援においても、ゼミ形式のグループディスカッションや職員による全員面談のほか、教員や内定者、卒業生も交えた独自のプログラムで学生の主体的な進路選択を支援。コロナ禍においても、4年生対象のオンライン講座の開催、3年生全員への「就活スターターキット」の郵送、Webでの個別相談への変更や新たなオンラインセミナーの実施など、学生が安心して就職活動を行えるよう、学生一人ひとりに適した支援を行っている。
2位は産業能率大学で55ポイント。さまざまな企業や自治体との取り組みから、学生の主体性や実践力を伸ばす独自の教育が評価されている同大。1年次から多くの授業でPBL(Project Based Learning)を取り入れ、企業や地域などと連携してチームで課題に取り組む学びを繰り返すことで、コミュニケーション力や論理的思考力、協働力などを身につける。また、同大客員教授であるリチャード川口氏と共同開発した「SANNO English Program」は、経営学部の1年生全員が履修する新発想の英語プログラム。「発音」と「表現」に重きを置き、同大ならではの学生の主体性を引き出す画期的な内容で、英語が苦手と答えた学生の9割が「受講前よりも英語が好きになった」と回答。英語での実践的なコミュニケーションスキルを高められると好評だ。
3位は明治大学で49ポイント。就職支援では揺るぎない評価を得ている同大だが、学生が安心して学べる環境と質の高い教育を提供するためのさまざまな施策を実施。学業優秀でありながら経済的に困窮する受験生を対象とした返還不要の入学前予約型給費奨学金「おゝ明治奨学金」をはじめ、コロナ禍においては「明治大学学生・教育活動緊急支援資金」を設立。10億円規模のファンドとして将来に備えている。また、2031年に創立150年を迎える同大は、2019年12月に「グランドデザイン2030」を発表。オンライン授業を2030年までに500科目という目標を掲げたが、すでに1万6500科目がオンライン授業に切り替えられており、今後はどのような手法が最大限に教育効果をあげられるのか、世界基準の教育体制を整える、次なるステップへと歩みを進めている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。