教育力が高い大学ランキング2020(北海道・東北編)
写真=東北大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「教育力が高い大学(北海道・東北編)」だ。
1位は東北大学で447ポイント。同大では2020年度からオンラインを戦略的に活用し、海外と連携した多様な教育プログラムを進めている。アメリカやカナダの協定校に在籍する学生をはじめ、言語や文化的背景の異なる学生同士が相互理解を深め、新しい価値観の創造をめざす「国際共修授業」を全国の大学に先がけて導入。オンラインだからこそ、物理的な距離や学問領域、組織の壁を越えた「ディシプリン横断型教育」が可能となっている。また、国際情勢のグローバルモニタリングと並行して進められる「国際共同大学院プログラム」や、国内外の外部機関と緊密に連携しながらオンラインとリアルとのハイブリット型で進められる「卓越大学院プログラム」、企業と共同開発した新入生向けのAI教育教材を用いた「東北大学挑創カレッジ」なども展開している。
2位は国際教養大学で168ポイント。1クラスの学生数が平均18人という一貫した少人数教育とともに、すべての授業が英語で行われる点が最大の特徴だ。教員の半数以上を外国人が占め、「英語を学ぶ」のではなく「英語で学び、英語で考え、意見を主張できる能力の向上」が重視される。英語学習では、入学時のクラス分けテスト(TOEFL ITP TEST)の結果を目安に3つのレベルに分け、学術英語の運用能力を習得する「英語集中プログラム(EAP)」において、英語での思考力、文章表現力、プレゼンテーション力など、段階的にアカデミック・イングリッシュの基礎を身につける。より高いレベルの英語力を持ち、一定の条件を満たした新入生には、高校から大学教育への橋渡しとなる、高度な導入教育である「EAPブリッジプログラム」も用意され、それぞれの学生に合わせた教授法で、効率よく力を伸ばしていく。
3位は北海道大学(59ポイント)、4位は山形大学(23ポイント)、5位は会津大学(20ポイント)、6位は秋田大学(8ポイント)がそれぞれランクイン。7位には5ポイントで室蘭工業大学と北海学園大学が並んだ。北海学園大学は、文系・理系あわせて5学部12学科を擁する道内最大規模の私立総合大学。専門科目は所属学部のみならず、他学部の学問分野も学べる「他学部履修制度」を設けることで、知的好奇心を刺激する多彩な科目に触れ、幅広い視野を身につけることができる。また、キャリア支援センターではキャリアコンサルタントの有資格者が個別相談などに応じるほか、民間企業から官公庁、地方自治体などでのインターンシップに力を入れるなど、きめ細かな就職サポートを実施。これまで道内の民間企業では900人の優良企業経営者を生み出したほか、国家公務員一般職(行政職)や国税専門官、札幌市役所、北海道庁、北海道警察など、公務員試験でも毎年多数の合格者を輩出している。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。