教育力が高い大学ランキング2020(九州編)

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教育力が高い大学ランキング2020(九州編)

写真=九州大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「教育力が高い大学ランキング(九州編)」だ。留学についての記述は、普段の取り組みを取り上げた。コロナ禍で海外への出入国が制限されている。各校の措置については別途ホームページなどを確認して欲しい。

1位は九州大学で94ポイント。同大の1年生は全員、伊都キャンパス(福岡県福岡市)で1年間の「基幹教育」を受ける。これは、新たな知や技能を創出し、未知の問題を解決するための幹となる「ものの見方・考え方・学び方」を習得するプログラムである。「基幹教育セミナー」「課題協学科目」「文系ディシプリン科目」「理系ディシプリン科目」などで構成され、低学年次のうちに自律的に学ぶ姿勢を養うのがねらいだ。2年次からは「高年次基幹教育科目」に進み、専攻教育との相乗効果で生涯にわたり学び続けるアクティブ・ラーナーへと成長する力を培う。また、2018年に開設された「共創学部」では、文理融合による先進的な教育を推進。学生自らデザインする課題解決型のカリキュラムが特徴で、実践的な協働学習や留学の必須化など、これからの社会をリードする人材に必要な資質を養成する。

2位は九州工業大学で34ポイント。世界で活躍するエンジニアに求められる能力を「GCE(Global Competency for Engineer)」と定める同大では、授業、研究、課外活動など多くの場で「インタラクティブ(対話型、双方向)」な活動を重視。留学生との協働学習やアクティブ・ラーニングに最適な学習施設など、学生と学生、学生と教員が刺激し合って学ぶ環境が整えられている。また、学部4年間および大学院2年間の6年一貫教育プログラム「グローバル・エンジニア養成コース」を設置。学部1年次からグローバル教養科目でグローバル・コンピテンシーを涵養し、海外留学の必修化やTOEICなどの英語能力試験のスコアをコース修了要件とするなど、エンジニアとしてグローバルに活躍するために必要な能力を高めるカリキュラムを展開している。

3位は立命館アジア太平洋大学で25ポイント。同大は国際経営学部とアジア太平洋学部の2学部から成る。国際経営学部と大学院の経営管理研究科は、2016年にマネジメントの国際的な認証評価機関「AACSB( The Association to Advance Collegiate Schools of Business)」から、世界水準のマネジメント教育を提供する教育機関としての認証を取得。この認証を取得しているのは同大を含め日本では5大学のみだ。「会計・ファイナンス」「マーケティング」「経営戦略と組織」「イノベーション・経済学」の4つの分野を段階的に学び、ビジネスにおける実践力を養う。また、アジア太平洋学部は「環境・開発」「観光学」「国際関係」「文化・社会・メディア」の4つの分野から、アジア太平洋地域の政治、経済、社会、文化を総合的に学ぶ。同学部は2018年に国連世界観光機関(UNWTO)の観光学教育に関する国際認証「Ted Qual(Tourism Education Quality)」を、日本の私立大では初めて取得している。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


教育力が高い大学ランキング2020(九州編)