教育力が高い大学ランキング2020(中国・四国編)
写真=岡山大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「教育力が高い大学ランキング(中国・四国編)」だ。留学についての記述は、普段の取り組みを取り上げた。コロナ禍で海外への出入国が制限されている。各校の措置については別途ホームページなどを確認して欲しい。
1位は広島大学で38ポイント。同大では、独自の到達目標型教育プログラム「HiPROSPECTS(※)」を展開。「主専攻プログラム」「副専攻プログラム」「特定プログラム」を組み合わせ、興味・関心に応じた学びができる。授業の成績のほか、主専攻プログラムに関する到達度評価を行い、評価に沿った学習アドバイスを行うことが特徴だ。学士号取得という目標に向け、具体的にどのような力がどの程度身につき、何が不足しているかを把握することで、学生は計画的に学習を進めることができる。また、2021年8月からは「アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院学士号プログラム」がスタート。同大にいながらアメリカ有数の州立大学のカリキュラムで学び、「グローバルマネジメント学」あるいは「国際貿易学」の学位が取得できる、国立大初の取り組みに期待が寄せられている。
※Hiroshima University Program of Specified Education and Studyの略。
2位は岡山大学で18ポイント。同大では、全ての学生を対象に数理・データサイエンス・AI教育を展開し、各専攻の基礎的な知識レベルに合わせた必修科目「数理・データサイエンスの基礎」や、具体的な課題解決を通じてデータサイエンスの有用性を実感する演習科目「数理・データサイエンスの基礎演習」を開講している。医療・金融・法律などさまざまな専門分野においてデータに基づく社会的な課題の解決や、新たな価値の創造ができる人材の育成を目指す。また、実社会で適切な判断ができる力を有し、世界で活躍できる「実践人」を育成するため、学生が獲得した3基幹力(教養力・語学力・専門力)を3側面(異分野、異社会、異文化)の経験によりグローバルな現場で実践させる「高度実践人認定制度」を推進。学びの成果を見える化することで、学生のモチベーション向上を図っている。
3位は島根大学で13ポイント。同大は法文、教育、人間科学、総合理工、生物資源科学、医学の6学部を擁し、幅広い学問領域において世界水準の研究・教育を実践してきた。2021年には新たな研究・教育の拠点として「次世代たたら協創センター(NEXTA)」を設置。島根に残る日本固有の製鉄技術「たたら製鉄」の伝統を受け継ぎながら、トップレベルの人材・大学・県内企業との協創によりイノベーションの創出を図る。センター長には英国・オックスフォード大学のロジャー・リード教授を招聘し、コンピュータ計算を駆使した合金設計など世界トップレベルの研究を通じて、金属材料のエキスパート人材の育成を目指す。ここで学ぶには総合理工学部への入学が必須だが、オックスフォード大学への研究研修派遣などグローバルに活躍するための素地を磨くプログラムもあり、これからの展開が注目される。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。