入学後、生徒を伸ばしてくれる大学ランキング2020(九州編)
写真=立命館アジア太平洋大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「入学後、生徒を伸ばしてくれる大学(九州編)」だ。
1位は九州大学で53ポイント。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年度は約4900科目の授業をオンラインで実施した。同大でのデジタル学習環境の整備は2013年のパソコン必修化から始まり、翌年にはeラーニングの学習支援システムを導入していたため、混乱なくオンライン授業に移行することができたという。海外留学や国際体験プログラムの充実も同大の特徴の一つ。諸外国の医療機関との間で各種の遠隔医療教育を行っている医学部のアジア遠隔医療開発センターでは、学生がオンラインで手術の見学をするなど、新しい試みにも取り組んでおり、今後あらゆる分野でこうした国際交流の実現が期待されている。また、奨学金や授業料免除の制度も充実。コロナ禍においても速やかに緊急支援のための基金を創設し、経済的な理由で学びを断念することのないよう学生を支援している。
2位は立命館アジア太平洋大学で38ポイント。同大は交換留学や海外でのフィールドワーク、インターンシップなど、現地体験型・実践型の学びを中心とした海外学習・留学制度「オフキャンパスプログラム」が充実。期間や内容を選択できるよう、豊富なバリエーションのプログラムを開講している。キャンパス内には「国際教育寮(APハウス)」を設置し、新入生の多くが最初の1年間をここで過ごし、国や文化の異なる学生同士がともに暮らし、交流することで、互いに刺激し合って成長する。上級生がサポートする「レジデント・アシスタント(RA)」の配置や、職員の常駐など、支援体制も万全だ。また、オンラインでも交換留学を体験できる授業や、多文化コンピテンスの修得を目指した授業、日英両語での言語交流型授業などを提供。コロナ禍でも日本人学生と留学生が活発に交流し、学びを深める「混ぜる」教育を続けている。
3位は九州工業大学で35ポイント。同大は「自分の未来をデザインする入試」として、大きく5種類の選抜方式がある。「一般選抜(前期日程、後期日程)」に加え、大学入学共通テストを利用しない「総合型選抜I」と「学校推薦型選抜I」、同テストを利用する「総合型選抜II」と「学校推薦型選抜II」から選択でき、最大で5回の受験が可能だ(※)。総合型選抜では、高校までに身につけたさまざまな力を多面的に評価。「総合型選抜I」は新しいことを学ぼうとする力や自分の考えを書き出す力を生かせる試験で、将来をイメージしながら受験途中で分野(類)を選択することができる。また「総合型選抜II」はコミュニケーション力とメタ認知力(自分自身を客観的に見る力)を生かせる試験。高校までの自分の学びを振り返りながら積極的に入試に取り組むことで、大学入学後の学びや“自分の未来”につなげることを目指す。
※「総合型選抜II」と「学校推薦型選抜II」の併願は不可。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。