小規模だが評価できる大学ランキング2020(中国・四国編)
写真=高知工科大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「小規模だが評価できる大学(中国・四国編)」だ。
1位は高知工科大学で36ポイント。同大では1年次に、大学での学びで必要なレポートの書き方やプレゼンテーションの方法などを「スタディスキルズ」として指導する導入科目を設置するほか、1・2年次から「セミナー」や「学生実験」といった専門科目で探究型学習がスタートする。学生10人に対し教員1人という少人数制によって、学生と教員との緊密なコミュニケーションを重視し、半数以上の教室が少人数教育に最適化されたセミナー室となっている。また、学群・専攻制を採用し、1・2年次に4つの学群内で各領域の関連分野を含む横断的な学びによって視野を広げ、3年次に各学群内で専攻を自由に選択。他学群の専攻を副専攻とすることもできる。さらには、必修科目の縛りがなく、他学群の科目も含めて自由に科目を選択できる「全科目選択制」も特徴的だ。指導担当教員が履修科目のアドバイスを行い、学生一人ひとりに合ったオリジナルの時間割にすることができる。
2位は鳥取大学で18ポイント。2020年4月時点では、地域学部、医学部、工学部、農学部の4学部と大学院博士課程まで含めた学生数は6141人。対して専任教員数は753人であり、教員1人あたりの学生数は8.2人となる。文部科学省が発表した2019年度の「学校基本調査」では、国立大学の全国平均が9.5人、私立大学が19.6人であり、学生の声が届きやすい鳥取大学の魅力が見て取れる。また、鳥取砂丘に近い地の利を生かす研究機関である「乾燥地研究センター」の存在も特色の一つ。世界における乾燥地の面積は陸地全体の約4割を占めており、森林破壊による砂漠化や干ばつなどの問題解決、乾燥地における持続可能な開発に向けた研究を推進する、日本で唯一の乾燥地研究機関として豊富な実績がある。世界の乾燥地各国からの研究者や留学生も多く国際色豊かなため、日々の交流を通して日本人学生の外国語運用能力やグローバル感覚が養われるメリットもある。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。