小規模だが評価できる大学ランキング2020(北海道・東北編)
写真=会津大学のiLab
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「小規模だが評価できる大学ランキング(北海道・東北編)」だ。
1位は国際教養大学で342ポイント。2位には会津大学が135ポイントと続く。日本初のコンピュータ理工学を専門とする公立大学として1993年に開学した会津大学では、国内随一といわれるコンピュータ教育を実践。学生の多様な好奇心や希望する進路に応えるため、「コンピュータサイエンス」「コンピュータシステム」「コンピュータネットワークシステム」「応用情報工学」「ソフトウェアエンジニアリング」の5つのフィールド(専門領域)制を導入し、学生数の2.5倍にあたる約3000台のコンピュータを整備。学生は24時間利用することが可能だ。また、1人の教員が受け入れる学生数を1学年4人までとするルールを設け、少人数教育を徹底。入学後からのキャリア支援も充実させ、開学以来、大学院でほぼ100%、学部で平均97%という高水準の就職内定率を保持している。
3位は公立はこだて未来大学で35ポイント。同大は、2000年に開学したシステム情報科学部からなる単科大学だ。1年次に幅広い基礎力を身につけたあと、2年次から情報アーキテクチャ学科、複雑系知能学科の2学科に分かれ、5つのコースにそれぞれ所属して学びを深める。その学びを支えるのが「メタ学習ラボ」だ。学生による学習支援の場として、成績優秀な先輩学生(チューター)が大学での学習をマンツーマンでサポート。プログラミングや数学などについて相談する学生が一人で問題を解けるようになるだけでなく、教える過程でチューター自身も成長することを目的とする。また、3年次の必修科目「プロジェクト学習」では20〜25のプロジェクトが教員から提案され、1プロジェクトにつき10〜15人の学生と2〜3人の教員がチームを結成、1年をかけてPBL(Project Based Learning、課題解決型学習)に取り組む。
4位は、小樽商科大学で20ポイント。同大は、1911年に創立された小樽高等商業学校が前身。現在は商学部に経済、商、企業法、社会情報の4つの専門性の高い学科を擁する単科大学として発展し、2021年4月からは地域のグローバルリーダーを育成する「グローカルコース」をスタートさせる。同大では、所属学科を成績と希望により2年次に決定する。そのため、入学後の1年をかけて自分の適性や興味を見極めた上で学科の選択ができる。また、同大ではアクティブラーニングに力を入れており、2・3年次必修の「ゼミナール」や「社会連携実践『本気(マジ)プロ』」など、課題研究やプレゼン、ディスカッションなど学生が主体的に学ぶ授業を展開。「アクティブラーニング教室」や図書館内の「ラーニングコモンズ」など、施設面からも学生の自主的な学習を支えている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。