グローバル教育に力を入れている大学ランキング2020(中国・四国編)
写真=広島大学と連携するアリゾナ州立大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「グローバル教育に力を入れている大学ランキング(中国・四国編)」だ。留学についての記述は、普段の取り組みを取り上げた。コロナ禍で海外への出入国が制限されている。各校の措置については別途ホームページなどを確認して欲しい。
1位は広島大学で25ポイント。文部科学省「スーパーグローバル大学(SGU)創成支援事業」タイプA(トップ型)の13大学の1つに選ばれている同大は、コロナ禍においても海外協定校学生との協働学習を行うCOIL(Collaborative Online International Learning)の導入や、オンラインツールを活用した国際交流教育プログラム(e-START)の実施など、ニューノーマルにおけるグローバル教育を積極的に展開。また2020年7月には、国立大学で初となる海外キャンパス「アリゾナ州立大学/サンダーバードグローバル経営大学院―広島大学グローバル校(グローバル・イニシアティブ)」の設置に合意した。グローバル経営教育と持続可能なビジネスに焦点を当てた学びの舞台として、アリゾナ州立大学との連携のもと、さらなる国際化の進展はもとより、地域活性化への波及効果も期待されている。
2位は岡山大学で14ポイント。2017年に開設した「グローバル・ディスカバリー・プログラム」は、アドバイザーと相談しながら、学生の意欲にマッチした履修プログラムを作成できる点が特徴。英語で実施するコア科目履修後に、専任教員が英語で学際的な授業を展開する「ディスカバリー専修トラック」と、専門性を深める「学部・学科横断型マッチング・トラック」のいずれかを選択できる。また、入学後の申請が可能な「グローバル人材育成特別コース」では、海外留学を前提とした高度な英語運用能力や、異文化及び日本文化への理解など、世界で活躍するための幅広い力を修得。目指す語学基準と留学スタイルに合わせた4つのグループ分けで、学生一人ひとりの希望や能力に合わせた柔軟な学びを実現している。
3位は広島市立大学で5ポイント。同大は「国際平和文化都市の『知』の拠点」を目指し、2013年に国際交流推進センターを、2018年には国際学生寮を設置し、学習・教育のグローバル化を推進。大学院生を含む学生数約2000人規模の大学ながら、134人の海外留学生を受け入れるなど(2019年度実績)、比較的コンパクトな体制の中で、国際性豊かな環境を実現している。海外への学生派遣においては、期間の異なる3つのプログラムを用意し、学術交流協定校への派遣に対しては大学独自の派遣留学助成を実施。コンピュータを活用した効率的な学びを実現する「CALL(Computer Assisted Language Learning)英語集中」や、10~15人の能力別少人数クラスで学ぶ「英語応用演習」といった外国語教育の充実も図っている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。