小規模だが評価できる大学ランキング2020(関東・甲信越編)

教育
小規模だが評価できる大学ランキング2020(関東・甲信越編)

写真=都留文科大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「小規模だが評価できる大学ランキング(関東・甲信越編)」だ。

1位は都留文科大学で54ポイント。1953年に教員養成を目的に設立された公立大学で、多くの卒業生が教員として活躍している。学生約9人あたり教員1人という少人数制を特徴とし、全員必須のゼミナールでは、教員のきめ細かな指導のもとで研究に取り組むことができる。近年は一般企業への就職を目指す学生も増えているが、やはり特筆すべきは同大の「教員養成力」だろう。4年間を通した「教育フィールド研究」では、学校だけでなく、学童保育など学校外の活動も含めた現場での子どもたちの支援を1年次から体験して学ぶ。また、教員経験を持つ相談員による「個別相談」のほか、「教育カフェ」「教職ゼミ」といった学生同士の学び合いの場を用意。卒業生を対象とした「教職支援交流会」の開催など、入学後から卒業後まで独自のサポートを行っている。

2位は長岡技術科学大学で38ポイント。同大は、実践的な技術の開発に主眼を置き教育研究を行う大学院に重点を置いた工学系大学として、1976年に開学。一般の大学が学術研究を重視するのに対し、学術研究を産み出すための現場での実践を重んじてきた。その表れの一つが、開学時から実施している「長期インターンシップ」だ。大学院に進学する4年生が、約5カ月間(海外は約6カ月間)企業等の現場で実務を経験する。大学での学びを実地で試すとともに、社会が求めるものを学び、大きく成長して大学に戻る。また、学校推薦型選抜合格者向けの「入学前学習プログラム」や、クラス担当教員や指導教員、アドバイザー教員による「学生相談」、大学院生が学部生の学習を支援する「学習サポーター制度」など、入学前から学部、大学院修士課程まで、一貫した支援体制を整えている。

3位は神田外語大学で30ポイント。既存の外国語学部に加え、2021年4月にグローバル・リベラルアーツ学部を開設した同大は、少人数教育に重きを置いてきた。特に、語学トレーニングにおいては少人数での指導を徹底。可動式の机を配した専用の教室は教員と学生の距離が近く、コミュニケーションを学ぶのに最適な環境だ。また、同大の授業の多くはディベートやプレゼンテーションを取り入れた参加型で、学生主体のやりとりの中で積極的な学びの姿勢を身につけることができる。さらに、学生の自立した学習を支える8号館「KUIS8」には、英語の自立学習をサポートする「SALC(Self-Access Learning Center)」をはじめ、あらゆる学びの形に対応する学習スペースを用意。専任のアドバイザーが1対1でサポートを行うエリアやグループワーク用のブースなど、それぞれのスタイルで学習を進めることができる。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


小規模だが評価できる大学ランキング2020(関東・甲信越編)