グローバル教育に力を入れている大学ランキング2020(九州編)
写真=立命館アジア太平洋大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「グローバル教育に力を入れている大学ランキング(九州編)」だ。留学についての記述は、普段の取り組みを取り上げた。コロナ禍で海外への出入国が制限されている。各校の措置については別途ホームページなどを確認して欲しい。
1位は立命館アジア太平洋大学で320ポイント。学生の半数が約90か国・地域から集う留学生であり、教員の半数も外国籍という多文化環境が同大の日常だ。約9割の授業を日本語と英語の2言語で開講。入学後に勉強する言語として、日本語か英語を選択することができるため、すべて英語で受講することも可能だ。英語以外の言語(中国語、韓国語、ベトナム語、タイ語、マレー・インドネシア語、スペイン語)も学べるほか、51か国・地域の163の大学・機関との交換留学制度を整備するなど、実践型の海外学習・留学制度を整えている。さらに、コロナ禍においては対面式とオンラインの両方を合わせたハイブリッド型の授業や、日本語と英語の言語交流型授業などを実施。日本人学生と留学生が活発に交流し学びを深める「混ぜる」教育を継続し、国際社会を力強く生き抜く、国際感覚とコミュニケーション能力を磨く。
2位は九州大学で38ポイント。3位は西南学院大学で31ポイントだ。西南学院大学は1971年にいち早く交換留学制度を導入し、グローバル教育に積極的に取り組んできた。現在は欧米エリアを中心に、33か国101大学と国際交流協定を締結している。1年次から応募できる交換留学制度では、留学先大学の授業料免除や渡航準備金の支給、取得単位を卒業単位へ認定(30単位まで)するなど、学生のやる気をバックアップ。年間で約100人の学生がこの制度に合格し留学している。学内においても留学生と日常的に交流できる「グローバル・スチューデント・ラウンジ」を設けるほか、外国語教員による個別指導や、外国語の無料プログラムを実施。習熟度別の少人数制授業も採用するなど、全学部の学生が“生きた言語“を習得できるようサポートしている。また、2020年4月には外国語学部が誕生。語学、文学、コミュニケーション学などの学問領域を横断的に学ぶ。東京外国語大学との包括連携協定による国内留学も可能となり、教育のさらなる充実を図る。
4位は福岡女子大学で27ポイント。1年次は「国際学友寮なでしこ」で生活する全寮制教育を実施。留学生とともに過ごすことで海外を日常的に体験し、異文化に対する理解力や自律する力を培う。学内では「外国語コミュニケーション」に力を入れており、全学科必須の学術英語プログラム「AEP(Academic English Program)」や、留学疑似体験プログラム「English Village」のほか、留学生のサポートや学生主体の語学学習イベントを通して、コロナ禍においても、世界に通じるコミュニケーション能力を育んでいる。また、海外経験として長・短期のさまざまな海外留学プログラムも提供。協定先は22か国・地域の34大学・学部(2020年4月現在)にのぼり、交換留学、語学・文化研修、海外体験学習、海外研修などに参加することで、国際的な感覚を身につける。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。