面倒見が良い大学ランキング2020(北陸・東海編)
写真=金沢工業大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「面倒見が良い大学(北陸・東海編)」だ。
1位は金沢工業大学で452ポイント。全国編でも16年連続トップとなる同大の学生の意欲と能力を伸ばす環境を象徴するのが、ものづくりの拠点となる「夢考房」だ。最新の工作機械はもちろん、屋内に設けられた巨大な試走スペースは同施設ならでは。日々の課題・研究や自由な創作活動、ソーラーカーやロボットをテーマにした「夢考房プロジェクト」の舞台として、重要な存在となっている。加えて注目したいのが、国立大学標準額との差額を給付するスカラーシップフェローと、年額25万円を給付するスカラーシップメンバーの2種類を設ける特別奨学生制度(リーダーシップアワード)。チームを牽引し、周囲の学生に好影響を与えるリーダーシップを備えた学生の育成に高い効果を発揮している。
2位は名古屋商科大学で61ポイント。同大は、「開拓者精神」とセミナー教育を重視。積極的にチュートリアル・システムを導入する「師弟同行の精神」を教育の基本姿勢に、先輩学生が1年次生を支える「学生による学生のためのサポート」や修学支援としての「電子カルテシステム」など、多角的なバックアップ体制を敷いている。授業休講時に補講を欠かさない全講義の完全実施や、授業調査による講義品質の改善も徹底。長期休暇中に開講される集中講義や、自学自習により評価が上がる「Self-Study Extra Point制度」など、単位取得に苦労する学生のためのセーフティネットも特徴的だ。都心部に位置する高層マンションタイプの学生寮など、生活面での支援も高い付加価値につながっている。
3位は富山県立大学で38ポイント。工学部と看護学部ともに1年次から始まるゼミや、入学から就職まで一貫したサポートなど、少人数教育のメリットを生かした支援体制を実現している。全国トップクラスの就職実績を支える、キャリア科目やキャリアセンターでの取り組みも特色の一つ。工学部で1~3年次の必修科目とする「キャリア形成論」では、自己分析や人生設計に加え、コミュニケーション能力や問題解決能力を育成。企業や医療機関への現場訪問、外部講師を招いた講話も積極的に行っている。キャリアセンターは就職支援に加え、高い就業意識の獲得にも寄与する。今後、看護学部の拠点である富山キャンパスにもキャリアセンターを設置し、支援体制をさらに強固にする予定だ。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。