面倒見が良い大学ランキング2020(北海道・東北編)

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面倒見が良い大学ランキング2020(北海道・東北編)

写真=東北大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「面倒見が良い大学(北海道・東北編)」だ。

1位は東北大学で209ポイント。コロナ禍において、「オンライン授業エキスパートTA(ティーチング・アシスタント)」として100人を雇用したほか、学部・大学院合計で約1万8000人いる学生一人ひとりにアドバイザー教員を配置することで、円滑なオンライン授業を実現。2020年度前期の開講科目約4000科目をすべてオンライン化で対応し、アメリカやカナダの協定校の学生も交えた「国際共修授業」もオンラインで実施された。また、感染拡大防止の観点から、学生にアルバイトの自粛要請を行ったことに伴い、総額4億円の「東北大学緊急学生支援パッケージ」を実施。新入生をサポートする上級生に、大学が月2万円を支給する「ピアサポーター制度」をはじめ、独自の緊急給付型支援などにより学生の経済支援が進められた。

2位は国際教養大学で103ポイント。24時間、365日開館の「中嶋記念図書館」は、洋書・和書合計で約8万4000冊の図書に加え、雑誌も国内外の220種類が揃う。約4000点の視聴覚資料や、約40万タイトルの電子書籍なども収集するハイブリッド図書館であり、自宅でも検索システムを用いて電子書籍を探し、閲覧することができる。また、複数のセンターで構成される「能動的学修・評価センター」も特徴の一つ。英語に限らない多様な外国語に関する豊富な教材を擁する「言語異文化学修センター」では、ワークショップの開催や、外国人留学生との交流機会の創出などを通して外国語の自律学習を支援。「学修達成センター」は、大学院生や学部生がチューターとなり、他の学生の学修支援を個別で行うピア・サポートの場となっている。

3位は山形大学(28ポイント)、4位には秋田県立大学(26ポイント)と続く。24ポイントで5位の八戸工業大学では、1年次の担任教員が卒業まで一貫して学生をサポート。学習支援室にもスタッフが常駐し、学業と生活の両面から学生のサポートを行い、レポートや課題の作成方法などで個別に対応する“学生ラウンジ”として機能している。授業では、専門領域での学びの基盤となる英語と数学の「リメディアル科目」が充実。また、「主題別ゼミナール」は各自の関心に応じてテーマを選択でき、少人数クラスでの双方向の議論などを通じて、主体的に学ぶ姿勢が養われる。就職支援でも、担任教員、就職課の職員、ゼミ担当教員が協力しながら、学生本位のサポートが進められている。

6位には13ポイントで福島大学と東北公益文科大学がランクイン。東北公益文科大学は、学生1人に専任教員1人が割り当てられるアドバイザリー制度が設けられているほか、日々の授業では、グループディスカッションやグループワークなどを取り入れたアクティブラーニング科目が全科目の78%を占めていることが特徴だ。また、就職サポートでは、教員3人で学生1人を指導する対話型トレーニングなどを組み込んだ社会福祉士試験対策や、大手専門学校の講師による年間約540時間の講座を年間7万円で受講できる学内での公務員試験対策などを実施。学内での企業説明会のほか、学外の大規模な合同企業説明会には大学が無料送迎バスを運行し、首都圏での就職対策イベントに安価で参加できるツアーも行っている。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


面倒見が良い大学ランキング2020(北海道・東北編)