グローバル教育に力を入れている大学ランキング2020(近畿編)
写真=関西外国語大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「グローバル教育に力を入れている大学ランキング(近畿編)」だ。留学についての記述は、普段の取り組みを取り上げた。コロナ禍で海外への出入国が制限されている。各校の措置については別途ホームページなどを確認して欲しい。
1位は関西外国語大学で97ポイント。55カ国・地域の393大学と協定を結び、提携先の大学と関西外国語大学の2つの学位を取得できる「ダブル・ディグリー留学」をはじめ、多彩な留学プログラムが用意されるなか、昨今は2つの先進的なプログラムに注目が集まる。「Super IES (Intensive English Studies)プログラム」は、英語4技能のほか、英語論文の書き方や英語でのプレゼンテーションスキルを養いながら、英語で歴史学や社会学などの専門分野を学べる点が特徴。また「関西外大流グローバル人材育成プログラム」は、日本にいながら海外留学と同様の体験ができるものだ。日本文化や国際関係、政治学、ビジネスなど、60科目以上の授業がすべて英語で進められ、外国人留学生とともにディスカッションやグループワークを中心とする学びに取り組む点に特徴がある。
2位は関西学院大学で81ポイント。所属学部や主専攻の学びと、それ以外の分野での学びの両立をめざす「ダブルチャレンジ制度」の活用が推奨され、その中の一つに、日本を出て世界を知ることをテーマとする「インターナショナルプログラム」がある。学生は海外留学のほか、国際協力事業に参加する「国連ユースボランティア」や、海外の大学生と協力して国際的な課題の解決策を探る「クロス・カルチュラル・カレッジ」、異文化環境で就労体験を行う「海外インターンシッププログラム」などに参加する。創立時より「世界市民」の育成を使命としてきた同大は、2018年度に海外協定校への学生派遣者数日本一(※)を達成。コロナ禍においても、オンラインを活用した協定校との授業を実施するなど、先進的な取り組みを行っている。
3位は立命館大学で52ポイント。2019年にはグローバル教養学部を開設し、オーストラリア国立大学(ANU)と提携。4年間の授業がすべて英語で行われ、「デュアル・ディグリー・プログラム」によって、卒業時には立命館大学とANUの2つの学位を取得できる。また、他学部でも教育内容の国際化が進められ、例年2000人以上の学生が海外留学を経験。大学間の協定に基づく日本人学生の海外留学派遣者数は、2018年度に全国4位(※)となった。背景にあるのは、目標や関心、語学レベルなどに応じて最適な留学先を選択できるプログラムの豊富さと、大学による経済的な支援。留学先と同様に、留学期間に応じて給付される奨学金制度も充実している。
※2018年度独立行政法人日本学生支援機構「協定等に基づく日本人学生留学状況調査」
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。