面倒見が良い大学ランキング2020(近畿編)
写真=大阪大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「面倒見が良い大学ランキング(近畿編)」だ。
1位は大阪大学で34ポイント。コロナ禍において全国の大学が授業運営に四苦八苦した中、大阪大学では従来からICTを活用した教育環境を整備してきた成果が実を結んだ。全授業を「メディア授業」化し、学年暦どおりのスケジュールで授業が進められた。特に評価が高いのは、1年生向けに特設した「ウェルカム・チャンネル」。履修登録やレポートの書き方の指導に始まり、大学生として今後必要となる「スタディ・スキルズ」を学ぶ講義動画コンテンツや、教員と在学生がキャンパス内を紹介し、新入生が抱えがちな悩みに答える動画「OU RADIO」を配信し、新入生の大学生活に係る不安に応えた。また従来から開講されている教養教育では、アカデミック・スキルズを身につけ大学での学びそのものを知ってもらう「学問への扉」、学問へのさらなる知的好奇心を刺激する「知性への誘い」や、関西経済界で活躍する著名人による「関西は今」「女性リーダーとの対話」といった多彩でユニークな全学共通教育科目が開講され、専門教育のベースとなる幅広い教養が養われている。
2位は近畿大学で30ポイント。近年は 「心と身体両方の健康をサポート」をコンセプトに、学生本位で利便性を追求する“次世代型食堂”を新設。食事メニューのカスタマイズサービスや、キャッシュレスでの事前決済システムが導入されている。また、アカデミックシアターは、スマートフォンから予約できる24時間利用可能な自習室をはじめ、マンガ2万2000冊を含む全7万冊以上の蔵書を誇る図書スペースなどを完備。日本の大学で初出店となる「CNN cafe」も併設されている。2020年には「“オール近大”新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」が始動した近畿大学。医学から芸術まであらゆる分野を網羅する総合大学としての知見が生かされ、学生の健康と豊かな学びを守る取り組みが進められている。
3位は京都産業大学で27ポイント。文系・理系10学部に約1万4000人の学生が集まる一拠点総合大学において、学生同士が支え合うピア・サポート制度や、主体的かつ協働的な学びを後押しするスチューデントコモンズの設置など、学生の成長を促す環境づくりに余念がない。また、30カ国86大学と協定を結び、希望や目的に応じて選べる留学プログラムや、多くの外国人留学生とともに学びながら、日常的に異文化交流ができる国際交流会館など、語学力や国際感覚が養われるキャンパス環境も高評価だ。キャリア支援においても、職員が年間500社にのぼる企業を訪問して情報収集を行い、学外と連携したプログラムも充実。就職活動での不安解消はもちろんのこと、きめ細かなサポートによって高い就職率を保ち続けている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。