面倒見が良い大学ランキング2020(全国編)
写真=金沢工業大学の数理工教育研究センター(2018年撮影)
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「面倒見が良い大学ランキング(全国編)」だ。
16年連続トップの金沢工業大学
トップは金沢工業大学の452ポイントだ。調査以来16年連続のトップとなった。その背景にあるのが、さまざまな学びのシステムだ。例えば「数理工教育研究センター」では、専門的な学びの基礎となる数学・理科の個別指導を受けることができる。指導を受けるだけではない。上級生になれば知識を下級生に提供することで、学生同士の学びあいの場を提供している。図書館にあるKnowledge Squareでは、学部4年生や大学院生が、専門科目について下級生に解説を行っている。
コロナ禍の学生対応が光る東北大学
2位は東北大学で209ポイント。国公立大学ではトップだ。
新型コロナウイルス感染拡大に当たっては、4月23日に「東北大学緊急支援パッケージ」を発表。安心・安全に学生生活を送ってもらうための施策を多面的に整備した。例えば、学生への相談対応では、全ての学生にアドバイザー教員を2000人規模で配置。さらに学生からも2390人のピアサポーターを募り、新入生などへの支援の輪を広げた。
少人数教育の特徴を生かしたキャリア支援を行う武蔵大学
3位は武蔵大学で142ポイント。キャリア支援では少人数教育の特徴を生かしたプログラムを実施。キャリア支援センターには常時10人以上のキャリアカウンセラー有資格者の職員が在籍し、就職活動が本格化する前には3年生全員に対し個別面談を行っている。さらに卒業生によるキャリア支援プログラム「武蔵しごと塾」を開催。さまざまな業界で活躍している卒業生から少人数グループでアドバイスを受けることにより、仕事や働き方への深い理解と就職活動本番に向けた実践的な成長の機会が得られる。
「面倒見が良い大学」に評価される背景には、カリキュラム、コロナ禍での取り組み、キャリア支援など、あらゆる取り組みがあると考えられる。ランキングを見る際には、順位だけにとらわれるのではなく、その理由についても深掘りしてみて欲しい。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。