昭和女子大学がオンライン授業3週間調査 ~リアルタイム双方向型が約6割に。課題提出型から移行
昭和女子大学(理事長・総長:坂東眞理子/東京都世田谷区)は、オンライン授業の開始から3週間が経過した時点で教員にアンケート調査を実施したところ、当初は4分の1を占めた課題提出型から双方向型への移行が進み、3週間経った時点で約6割がリアルタイムの双方向型の授業を実施していることが分かった。学生たちは授業に向き合って課題を提出し、学習効果があがっていた。
昭和女子大学は4月24日(金)からオンラインによる今年度の授業を開講した。アンケート調査は3週間経った5月18~25日に、学内イントラネットを通じて教員592人を対象に実施し、429人から回答を得た(回答率72.4%)。
同大のオンライン授業は、次の3タイプから教員が選択できる。
- (A)双方向型: Zoom等を用いて双方向にやりとりするリアルタイム授業
(B)録画配信型: 事前に授業を録画して配信し、学生からの質問や提出物に教員がフィードバックを行う授業
(C)課題提出型: 学生ポータルサイト等で授業の内容と課題を示し、学生の質問や提出物に教員がフィードバックを行う授業
開講前に教員向けに複数回のZoom講習会を実施し、当初からAタイプが54%と過半数を占めたが、26%がCタイプを選択していた。
一方、3週目にはCタイプが10%に減り、Aタイプが59%に増加、A+Cの混合が8%から15%に増え、リアルタイム授業への移行が進んだ。
また、9割がオンライン授業にふさわしい内容の授業ができていると考えている。学習効果については、58%が対面授業と違いはないかそれ以上の学習効果が挙がっていると感じる一方、対面授業より効果が低い19%、よくわからない23%と、まだとまどいも残る。その中で特に学生の課題提出は効果があり、「ほぼ全員が課題を提出している」比率が85%に上った。
オンライン授業の準備に要する時間が増えた教員が大半を占め、約半数の教員が、対面授業よりも週に8時間以上、準備のための時間が増えたと答えている。負担が非常に増えた36%、負担はある程度増えた52%と、負担感も少なくない。
オンライン授業のメリットとしては、学生の「遅刻が少なく、出席率が高い」「私語がなく集中度が高い」「寝ない」「反応が早い」「提出物が対面より期限厳守で提出される」「ブレークアウトセッションで熱心に話し合いに参加している」「PCスキルがあがる」などが挙がった。
また、将来的なオンライン授業と対面授業の比率については、「オンライン4割」31%、「オンライン6割」26%などのハイブリッドへの支持があった。
坂東眞理子理事長・総長は、「大学の場合、高校までと異なり学生によって受講する講座がばらばらなため、ハイブリッドにしても学生がキャンパスに登校することになり、悩ましい。今後、オンライン授業の良さをどう活かしていくかを検討していきたい」と、今回の調査結果を今後の授業改善に反映させていく考えである。