2025年11月19日、英明フロンティア中学校・高等学校(東京都杉並区)にて、明治大・国際日本学部の鈴木賢志学部長のゼミに所属する3人の学生(植村崇由さん、山下千尋さん、上村健太さん、いずれも国際日本学部4年生)による特別授業が行われた。テーマは「政治をもっと身近なものに」というもの。英明フロンティア高等学校の1年生1クラスと海外からの留学生を合わせた約40人の生徒が参加した。
特別授業の前半では、スウェーデンと日本の若者の政治への参加状況の違いについて解説がなされ、スウェーデンでは被選挙権が与えられる年齢が18歳と低いことや、日本とスウェーデンの若者の投票率に倍以上の差があることなどに驚きの声が上がった。後半に実施されたディスカッションでは、政治的手法で問題解決を図ることを考えるというもの。普段の授業とは異なる学びでやや戸惑う姿も見られたが、「変えたい校則」という身近な題材が取り上げられたこともあり、徐々に活発な議論を行う姿が見られるようになった。

英明フロンティア中学校・高等学校の旧名は東京女子学院で、25年4月より校名変更し、共学となった。今回の特別授業に参加した高校1年生は共学校としての1期生にあたる。英明学園の平野翔学園長は今回の特別授業について、「大学に直結する学びを目指す『イノベーションクエスト』という独自のプログラムの一環です。本校には海外からの留学生が在籍しています。彼らの母国のことについて他の生徒にもぜひ知ってもらいたいという思いがあり、鈴木学部長のご協力を得てこのような場を設けました」と語る。平野学園長から依頼を受けた鈴木学部長は、「日本がとっているやり方が、必ずしも優れたものであるとは限りません。世界にはたくさんの国があり、それぞれが日本と異なるやり方をしているということが高校生たちに少しでも伝われば幸いです。また、教える側に立つという経験をしたことは、学生自身にとっても大きな学びになることでしょう」と期待を寄せる。講師を務めた植村さんは、「スウェーデンの学校で行われているような模擬選挙を、日本の高校でも実際にやってみたい」と意欲を見せた。同じく上村さんは「校則を変えるためのプロセスは、まさに政治と同じです。周囲の人たちを巻き込み、賛同を得ることで世の中を変えることができるという政治の力を、高校生たちに少しでも実感してもらいたいという思いをもって特別授業に取り組みました」、山下さんは「自分では十分に理解していたつもりでしたが、高校生たちとディスカッションをする中で、『やっぱり分からない、なぜだろう』と考えることが生まれ、私自身にも大きな発見がありました」などの感想を述べた。
