リーダーシップを語る[1] 出口治明 APU(立命館アジア太平洋大学)学長
リーダーシップについて、僕はいつも「ONE APU」ということを最初に話しています。
今までの大学は、どちらかといえば先生がまずいて、職員がそれを支えるという構図でした。そうではなくて、先生や職員は「機能」の違いだと思っています。先生は研究と教育を通して学生を支え、職員は事務を通して学生を支える。これは機能が違うだけで、どちらが上だとか、下だとかという話ではありません。学生も先生も職員も、みんな「APU people」なのです。
僕は学長ですが、偉いわけでもなんでもない。大学には学長という機能が必要なので、僕が務めているだけです。卒業生や地域の人を含め、APUに関係するすべての人がフラットに、同じ立場でAPUを良くしようと考えている。まさに「ONE APU」の理念でマネジメントをすることが、これからのリーダーシップの役割だと思っています。
APUは日本で一番国際化が進んでいる大学です。先生方も半分は外国人ですし、公用語は英語と日本語の2言語です。そのため、資料も全て英語と日本語で作ります。SNSも英語と日本語の両方でやっています。
これからも国際化の最先端に立ち続ける。それと同時に、大分県別府市にある地方大学ですから、「新しいコラボレーション」を作る。これがAPUの目指すところです。
出口 治明(でぐち はるあき)
1972年京都大学法学部卒業後、日本生命保険相互会社に入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを歴任。2008年還暦でライフネット生命保険株式会社を開業、代表取締役社長に就任。2012年上場。2017年代表取締役会長を退任。2018年1月APU(立命館アジア太平洋大学)学長に就任。(現在に至る)